人の気持ちなんて分からないから寄り添おうと思えるんだ ページ16
「私はそのまま食べ物を探してあちらこちら転々としていた。けど、ある山の中にある小屋にいた時に誰か私に話しかけた。
“人を殺せばもっと美味しいもんが食える”って言ってた。私、その時“おいしい”って言葉知らなかったけど、その人には興味あったから寝たらその人の家へ行こうと思ってた。人の匂いは風によって消されるけど、気配が残っているからそれで起きて、その人のところへ向かった。扉は開いててそこから入った。でもその人は死んでた。もう一人の死体共に。
するとドタドタて足音が聞こえた。怒った声でやってきたけど私を見て…なんだっけ?これ。穴が空いてる…手に持てる奴で音がうるさいの」
彼女は身振り手振りで伝えようとしているのを見て
「銃か?」
土方は彼女の身振り手振りで理解した
「…?そんな名前だった気がする。それで私を殺そうとして、私は咄嗟に転がって包丁を握ってその人に投げた。
そしたら運良くオデコに当たって倒れた
……そこから、だっけ、人を殺し始めたのは。よく覚えてない。永風が言ってた。“お前には人を殺す才能がある”って。けど私そんなの知らない。神楽、に聞いてみた。お遊び半分で。“人を殺す才能と人に愛される才能どっちがいい”って。私が今まで殺して来たやつは皆“愛される才能”を選ぶ人間、天人だった。でも
神楽は違った。“才能なんていらない。家族さえいれば私なにもいらない”って。訳が分からない。家族?そんなのただの人の集まりでしょ」
彼女の冷たい声には感情が篭っていない。愛を知らず温かさも知らぬ女。それがこの女だった
「トシ、総悟」
近藤は未だ無反応な『嘘発見器』を見て
「彼女には感情を持ってもらおう。それが罪だ」
近藤は真っ直ぐな瞳で土方と沖田に振り返り、そう伝えた。
二人は少々黙っていたが
「分かった」「アンタが言うなら」と渋々のようだ
┈┈┈┈┈┈┈┈
「兄弟はいなかったんですかィ」
彼女は感情を持ってもらう為に屯所内を自由に歩いていた。家はここ、屯所内。最初は土方も否定していたものの、彼女の監視だと言う局長に何も言えず、最終的には土方が折れた
それで今は沖田に屯所内を案内されていた
「きょうだい?…さぁ?」
彼女も覚えてはないようでだった
「年齢も、誕生日も分からない状態ですねィ」
沖田はボソッと呟いたつもりだが彼女には聞こえていたらしく
「たんじょうび、て何」とまで聞いてきた
新生活になると不安と緊張が物凄い→←外見しか見ねー奴はクソだクソ
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作者名:鬼魂子 | 作成日時:2023年4月7日 23時