外見しか見ねー奴はクソだクソ ページ15
彼女の返答は────
「親…分かりません、今どこで何をしているのかも」
彼女は無表情で言う。『嘘発見器』も無反応でどうやら本当の事らしい
「ええっと…何で?」
辛かったら言わなくていい、と近藤は気を利かせたのだが彼女はゆっくりと吸った
「……私の顔とか体つきとか、あなた方が見ても平凡だと思うでしょ。けど、私の親は村一番の美男美女だった」
彼女はずっと無表情
「私の親…ううん、親は外見こそ神が与えたものだと勝手に思っていた。村の皆も彼等には頭が上がらなかった。だって外見と性格が良かったから。
でも、産まれてくる子供…つまり産まれた私は神から好かれずこうなったと、彼等は思い私を殺そうとした。だって外見がいい2人から産まれた子供がこんな平凡だと嫌でしょ」
彼女は口角を上げるが、目は相も変わらず動かなかった
彼女の過去は真っ暗できっと誰からも光を貰えなかったのだろうと近藤は悟る
「まず、火を使って私を燃やそうとしてたみたいだけど小さい村だからバレると思って断念したっぽい。私を閉じ込めた部屋にマッチあったから。
次に斧を使って事故にみせかける為に私の身長を伸ばそうと牛乳を飲まされた。そして半年後、山へ私を連れていきその時に斧を振り上げたけど、顔見知りの登山家が通りこれもダメになった。
最悪だね。
次々と私を殺そうと計画立てていくけど、邪魔される。でもその時好機が来た。天人が来たから。
天人によって村は襲われ、親と私の家も襲われた。親は天人に多分、言ったんでしょ、“子供をあげるから助けてくれ”とでもね。私はその時に天人に髪を掴まれて引きずられてどこかの小屋に入れられた。私は親に暫くご飯を貰ってないのを思い出してその小屋から出るために持っていたマッチを使って燃やし小屋を出た
その後に猫がいたから殺して食べた。その時は私、焼いた方が美味しいって知らなかったの」
親が子供を殺そうと色々計画するなんて聞いたことが無い。
『嘘発見器』は変わらず無反応。
信じなければならない。沖田も土方も、目を見開いて彼女を見ていた
「そのあとは犬とか猫とか、熊とかを食べていたらいつの間にか別の所へ来ていた。だって見慣れない街があった。
私、そのとき“話す”とか“書く”とか文字知らなかったし水とかもあんまり飲んでなかったから声が出なかった」
彼女は淡々と話しているが聞いているこちらはとても辛い
人の気持ちなんて分からないから寄り添おうと思えるんだ→←感情がない子供には手を差し伸べてやれ
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作者名:鬼魂子 | 作成日時:2023年4月7日 23時