その涙を拭いたい (ページ26)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:370,988 hit

25話ページ26

.

俺はいつから大切なものを見失ってたんだろう

ーーーーーーーー

紫耀side

紫「おはようございまーす」

眠い瞼を擦りながら事務所に入る
事務所の方達に挨拶をしながら歩いていると後ろから「紫耀！」と声をかけられる
振り返ると神が片手を上げながらこっちに向かって来る

紫「おー。おはよー」

神「おはよ。相変わらず眠そうだな。俺もだけど」

紫「んー...」

2人で並んで、他愛のない話をしながら歩き出す

神「今日どうしたんだろうな？」

紫「...ん？」

神「急にスケジュール変更になったじゃん。何かあったのかな」

紫「...知らね。」

本当なら今日はスタジオで雑誌の撮影だったんだけど、昨日の夜になって急に事務所で会議に変更になった

..まあ、そんな事この世界では良くある事だし俺は気にしてない

それよりも、
昨日廉が帰ってこなかった事の方が俺には重大だった

人の事とやかくいえる立場じゃないんだけど
最近体調が悪そうだったのに泊まりなんて大丈夫なのかと思って柄にもなく心配になって電話してみたけど出ないし、折り返しも来なくて
今日、仕事で会えると思ってそれ以上連絡はしなかったけど

...後でさり気なく聞いてみるか

そんな事を考えながら、会議室のドアを開けるとそこには既に玄樹と海人の姿があった

...廉はまだ来てないのか

2人に声を挨拶すると玄樹からは返事が返ってきたけど海人から返ってこなくて
椅子に深く腰掛けながらずっと俯いているだけだった

そんな海人の様子を不思議に思いながらもまあ、そんな日もあるかくらいにしか思わず、神と海人の真ん中にある椅子に腰掛けた

ーーーーーーーー