犬が三匹 ページ5
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」
「おにーさん、タオル」
「あ、ありがとう……」
何とか足を引っ張ってきて岸に上がった。
『結果的に─────人命救助?』
僕が疲れているうちに、流れていた男性は目を開け、上半身を起こしていた。
「うっ……!か、川に流されてましたけど……大丈夫ですか……?」
「助かったか…………チェ」
「チェ!?」
今チェって言ったか、この人……
「君かい?私の入水を邪魔したのは」
「僕はただ助けようとしただけで……え、入水!?」
「知らんかね。入水……自 殺だよ」
「じ、自 殺!?」
僕が助けた男性はすました顔で言いきった。
すました顔で言うことじゃないと思うんだけど……
「そう、私は自 殺をしようとしていたのだ。」
今度は嫌そうな顔をして言う。
「それなのに君が余計なことを……」
え…なんか僕今怒られてる……?
『なぜか─────説教?』
「よけーなことじゃないでしょ!」
「おやなっちゃん。彼と一緒にいたのかね」
「だってこまってたから……」
「ふむ、やはりなっちゃんは優しいねぇ」
え、2人は知り合い……?
なんか仲良く(?)話してるんだけど……
「話を戻すけど、人に迷惑をかけないクリーンな自 殺が私の心情だ」
男性はなっちゃんの頭を撫でて話を戻した。
「君に迷惑をかけた時点でそれはこちらの落ち度。なにかお詫びでも……」
ぐぅぅぅぅ……!
男性が話している時に何とか立った僕だが、立った瞬間にお腹がなってしまった。
「…空腹なのかい、少年」
「実はここ数日何も食べてなくて……」
ぐぅぅぅぅぅ……!
僕が言った瞬間、僕じゃない誰かのお腹の音が鳴った。
「奇遇だな。実は私もだ。」
「それじゃあ!」
「ちなみに財布は流されたようだ。」
「えぇ……そんなぁ……」
僕は期待を持った目で見たが、見事に打ち砕かれた。
彼のポケットからは財布の代わりのようにカエルが2匹出てきた。
「あ!カエル!」
「あぁなっちゃん、手が汚れてしまうよ。」
「見るだけー」
ほんとに仲良いんだなこの2人……
今日のキャラクターは?
国木田独歩:夏希の教育を太宰に任せられなくて不安な22歳。代わりに色んなことを夏希に教えている。勉強面はすべて国木田先生が担当。太宰が「料理が出来る」と知って気絶寸前になった人。
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Noir(プロフ) - 竜騎士みぃさん» あああああ本当だ!!ありがとうございます!すぐ直してきます! (2019年8月17日 1時) (レス) id: 5fb58605be (このIDを非表示/違反報告)
竜騎士みぃ(プロフ) - 20頁、福沢さんの行動文の所の名前変換が括弧になっていない気がする。(がんばれ) (2019年8月16日 17時) (レス) id: e8f36b9305 (このIDを非表示/違反報告)
Noir(プロフ) - なっつぅぅ!!さん» 太宰「あーれー」夏希「敦、太宰が飛んで行っちゃったよ?」敦「なっちゃんはあんな大人にはならないようにね。」夏希「?わかったー!」 (2019年6月1日 7時) (レス) id: ccae734d37 (このIDを非表示/違反報告)
なっつぅぅ!! - 国木田「だぁざぁいいぃぃ!!!」 (2019年6月1日 6時) (レス) id: 9cf5f7dc68 (このIDを非表示/違反報告)
Noir(プロフ) - なっつぅぅ!!さん» 夏希「にゃんだほー!」太宰「可愛いよなっちゃんんんん!!」← (2019年5月31日 23時) (レス) id: 5fb58605be (このIDを非表示/違反報告)
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