7話 ページ8
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「見て、イヌさんより着こなしてる」
「わー!新しい隊服もうできたんだ!暗殺者みたーい!」
「え、可愛いじゃないですか!
イヌさんこそ裏で「サイコパスっぽい」って言われてるのに、」
「え何それ」
太刀川とランク戦をした翌日。
開発室に呼ばれたと思えば新しい隊服の入ったトリガーが渡された。
白いブラウスに黒いネクタイ。黒の襞が多いプリーツスカートにタイツに革靴。胸にはボーダーのエンブレム。
全て彼女の思い通りのデザインだ。
しかし傍から見ると、残念な事にその見てくれはどう見ても犬飼の言う暗殺者である。
もちろんそんなこと彼女は気づくわけもなかったが。
「ところで今暇ですか?
メテオラの調整難しいから練習したくて」
「あーごめん、この後次のランク戦の作戦会議ー。
てかメテオラ?別にAちゃんバイパーとアステロイドだけで良くない?」
どっちも使いこなせてんじゃん?
そういうのも、彼女と何度も戦っている犬飼は、彼女のリアルタイムで引くバイパーの弾道の精密さもアステロイドの火力も知っているのだ。そして、それらを使った特殊戦術のパターンも増えてきていることも認知していた。
自身の隊長である二宮には劣る部分もあるが、それでも彼女の能力は目を見張るものがあるのだ。
数ヶ月先に入隊したこともあってか、ランク戦ではまだ勝率は犬飼の方が上。
しかし、いつかは勝ち越される未来にあるのだろう、と思えてしまうくらいには、彼女は成長していたし、強かった。
だから、今ある戦術を固定して、極めていけばいいのではないかと。
チーム内で堅実なプレーの方が求められる犬飼は、そう考えいた。
しかし、彼女は違った。そもそもチームに入っていないのだから、全てが自由なのだ。
「だからですよ。そこそこできるようになったから、マンネリ化してつまんないんです。
だから、他のにも手出したいなって思って。」
メテオラ派手だし
そう言う彼女に犬飼はつい吹き出した。
「っぷ、あはははっ…自由だねえ〜。
俺も、スコーピオン頑張って万能手目指そうかな。かっこいいし」
「!良いじゃないですか!」
楽しそう、そう笑う彼女。犬飼も気分良さげに彼女に笑いかけた。
「ま、そんじゃあまた今度。遅れると二宮さんに怒られちゃう」
「ウワッ引き止めてごめんなさい、頑張って!」
「ありがと〜」
そう言って廊下を走って去っていった彼だが、結局遅刻はした。
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ほのか(プロフ) - 続きが楽しみですー! (2022年5月22日 15時) (レス) @page16 id: 3995d0bd0b (このIDを非表示/違反報告)
何も言わずに旋空弧月 - めっちゃおもろいです一気読みしました。何年でも待ちます。二宮隊贔屓だから隊服スーツで嬉しいっす! (2021年5月27日 16時) (レス) id: 43784786f9 (このIDを非表示/違反報告)
あきかぜ(プロフ) - コクーンさん» 全てイメージだと私は思っています。とにかくセンスがいるポジションですよねぇ(^_^;) (2021年2月13日 14時) (レス) id: 24b04063a4 (このIDを非表示/違反報告)
コクーン(プロフ) - 射手の射程、弾速、威力ってどうやって決めてるんでしょうね?www (2021年2月13日 13時) (レス) id: dd8a571986 (このIDを非表示/違反報告)
あきかぜ(プロフ) - コクーンさん» コメントありがとうございます(^^♪ そうですね、こんな軌道とかどう?とか話し合ったりしそうです笑那須さんの入隊はまだなので出てくるのはまだ先になると思いますが絶対絡ませますのでそれまでお待ちくださいね〜! (2021年2月7日 22時) (レス) id: 24b04063a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あきかぜ | 作成日時:2021年2月7日 14時