青髪の女兵士が人類最強に恋慕している話【リヴァイ】

57 ページ10

3人だけとなった荷馬車で、トロスト区へ向かう。




……いや、本当にこのおっさん要る！？←←


何この静けさ嘘でしょ。先程とは大違いだわ。助けて、ハンジ分隊長！！←





いっそリヴァイと2人きりなら、場を盛り上げるため思い切りライジングをかませるのだが、このおっさんの前でそれはさすがに……。




私にだってTPOくらいある←




人数が減り長椅子も広々としているため、行きのようなハプニング(嬉)も起きない。




人口密度が低いせいか、寒いし……。




「……ｸｼｯ」




もうこれ人口密度云々じゃなく物理的に寒い←



カーディガンだけじゃ足りなかったかも。私、そんなに体弱かったっけ？怪我の関係もあるのかな。




とりあえず、ぶえっくしょい！みたいな親父くしゃみが出なかった自分を褒めよう←




「……冷えるか」




少し離れた隣から声がかかる。




「うーん、少々。急に寒く感じて……」




心配されたのが嬉しくて、はにかみながら答える。




するとリヴァイは羽織っていたスーツをおもむろに脱ぎ、こちらにバサッと投げてきた。思わずキャッチする。





「…………被っとけ」







やっと落ち着いていた鼓動が、再度速まる。






こんなに胸がぎゅっとなること、1日に何度もあって良いのだろうか。





……私、今日死ぬのかな…………←





顔が赤くなるのを見られる前に、リヴァイの上着を頭の上から被せた。





……地下にいた時、こんな風におかしくなることあったっけ？





家族愛とか兄妹愛という言葉が、どうにもしっくりこない。





分からない。自分のことなのに、分からない。





私には、この感情が分からない。





蒸れたスーツの中で深呼吸をしてから、自分の体の方に着なおす。





「……ありがとうございます」





俯きながら、早口で礼を述べた。





晒された頬が直に風を受け、赤みを引かせる。






…………これが、俗に言う”恋”だとしたら。






このワードが頭に浮かんだ途端、すとんと何かが腑に落ちた。





けれどそれ以上に重たいものがのしかかる。






そういう目でリヴァイを見る資格なんて、私には無い。





アヤメを捨て、偽りの姿でリヴァイに接している嘘だらけの自分は、そんな大層な感情を持ってはいけないんだ。





まだ、初期段階のはずだから。





誰にも知られることなく、殺そう。この薄汚い気持ちを。

58→←56

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す