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誰かが、私を呼んでいる。
それが誰なのかピンとこなくて、確かめるために後ろを振り返った。
『アヤメ』
長い黒髪の少女。
覆われて視認できない目の下で、唇が小さく動いている。
『アヤメ』
私へ向けて発信している。返事を急かされているようだ。
『……何？』
言葉に少々トゲを含め応じる。何故だか目の前の少女が気に入らない。
ふ、と笑い声を零し、けれど口角は上げずに少女は私へとじりじり近づいた。
『何故返事をした？』
『は？あんたが私を呼ぶから……』
『今はAだろ？』
気づけば少女の腕は私の髪へ伸ばされていて、指に絡め取られる。
身長差がある筈なのに、近距離でそれを感じない。
私はA？そうだ、私の名はAで違いない。
じゃあ、アヤメは？自身の呼称だと、思っていた”アヤメ”は、一体なんだったか。
『真っ青な髪。生え際まで抜かりない。5年間も、よく染色を続けてきたな』
『っ、誰のためだと……』
口が勝手に動き、私は内心焦った。
”誰のためだと思っているんだ”
そう、言いかけた。
その言葉が指す”誰”の部分が、私には分からなかった。
『アヤメのためだって言いたいんだ？おかしな話。アヤメはAなのに。どうしてアヤメを他人のように扱うんだ』
少女は、それがアヤメだと思ったらしい。言われてみればそうなのかもしれない。
アヤメは、私？あぁ、そうだった。アヤメは、地下街時代の名だった。
やけに思考がのんびりしている。それなのに口だけは回る。
『そんな風に思ってない……。エルヴィン団長やハンジ分隊長と腹を割って話して、私は気づいたんだ。
リヴァイに守られていたアヤメも、リヴァイを守ろうとするAも、ちゃんと今の私を作ってくれている。
どっちが偽物だとか、そんなのは無意味な考えだって、私は分かっているよ』
『その説明の仕方が気持ち悪いんだ。アヤメがまるで別の人間であるかのような、切り離した話し方が。
お前の過去であるのに、お前は、アヤメとは違うって線引きをする。
私の言っていることが理解できるか？アヤメとAに差なんてない』
『そんな訳っ』
ない、と、喉から出しかけて、そこで止めてしまった。
やっと頭が言葉に追いついてきた気がする。
アヤメとA。生きる環境も違えば、性格も容姿もまるで別人だ。
リヴァイと居るためならと、アヤメは捨てた。
Aは、アヤメとは違う。筈、なのに。
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より(プロフ) - 美竜（ミリュウ）さん» コメントありがとうございます！更新ひどく遅いのに、今も変わらず見ていただけて感謝に尽きます…！2つ目のコメはリクエストでしょうか？事故〇〇というと、事故ハグや事故チューなどのラッキーアクシデントの類を指していますか？ (2019年8月16日 11時) (
レス) id: ac4384d703 (このIDを非表示/違反報告)
美竜（ミリュウ） - 続きですみませんがいつか事故〇〇←〇〇は何かをお願いしていいですか？ (2019年8月16日 10時) (レス) id: b33ef74fc2 (このIDを非表示/違反報告)
美竜（ミリュウ） - 夢主が、夢主が倒れたァア(´；ω；`) (2019年8月16日 10時) (レス) id: b33ef74fc2 (このIDを非表示/違反報告)
より(プロフ) - 伝説のパンダさん» ありがとうございます！！幼馴染みは私も憧れます笑。たくさんのお褒めの言葉、嬉しすぎて涙腺崩壊！頑張っちゃいます！！ (2019年2月7日 7時) (レス) id: abaeb80319 (このIDを非表示/違反報告)
伝説のパンダ - とても面白かったです！幼馴染み。。。いいなー。。リヴァイが夢主ちゃんを大切にしている感じが最高です！ずっっっっーと！応援してます！番外編（？）の、喧嘩、いいですね！兵長可愛いです！これからも、頑張って下さい！ (2019年2月4日 23時) (レス) id: e7cf133723 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：より | 作成日時：2018年9月22日 23時
