お狐様を讃えましょう 《4》 ページ5
その場に残された者達は赤司に聞こえぬよう
ひそひそと話し始めた。
黒「紫原君可哀想ですね」
青「あぁ。まぁ言い出したの俺だけどな」
緑「流石赤司。と言った所なのだよ」
赤「聞こえているぞ。お前達」
このやり取りは1日に1度は体験している
会話だろう。
誰もが慣れ始めている中、やはり赤司の怖さが
変わることはなかった。
それから数分。
今の話とは関係の全く無いことを話しながら
帰った『キセキの世代』は
赤司からの連絡により明日の準備をしていた
赤『必要なものは武器になりそうなモノ
それ以外はあまり所持しないようにね』
赤司様の命令は絶対だ。
これは帝光バスケ部の教訓となりかけている言葉だ
なので、今まで赤司に逆らった馬鹿など1人も居ない
さぁ、明日は狐狩りだ。
と意気込みを入れて紫原以外は眠りについた。
紫原はというと彼は「新作味のまいう棒美味しかったなー」
と思いながら寝ていたのだった。
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満月の下
石畳の床に1人の少年の影がゆらゆらと動く。
空を見上げ、まるで儚いような目で。
彼は美しかった。
―コン,コンコン
すると高いような低いような静かな鳴き声に
少年は耳を傾けた。
「どうしたんだい?」
少年は鳴き声の主…二匹の狐に声を掛けた。
二匹の狐の毛並みは整っており黄金色の毛を持っている
満月に照らされ、キラキラとひかる光るそれは
まるでこの世の者ではないかのようだった。
――いや、その前に
驚くべきものは少年の声の美しさだ。
まるで透き通るような声。心地よい声
なんと表現すれば良いか分からなくなる。
−コン,コン,コンコン
何か会話をしているように。何かを伝えるように
狐は再度鳴いた。
「……へぇ。うん……入れてあげなよ、この神社に
俺が見なくちゃ…この神社に相応しいかどうか…」
少年は妖異に笑った。その笑みはまるで
絵から出てきたのかと言うくらい見惚れてしまうモノだ
少年は狐達に「ありがとう」と言うと
ゆらゆらと歩き出し社の中へ戻って行った
狐は社に入ってい少年の姿を最後まで見届けると
すぐに姿を晦まし消えていった
−サラサラ……サラ…
木々は揺れ、隠れていた満月の光は
再度、石畳を照らした。
この満月が落ちゆく頃。空には朝日が登る。
少年は社の中で願うのだった。
−どうせならこのまま満月が落ちないで欲しい−
…………と。だが彼の願いは叶うことなく
暗い暗い闇に姿を消していった。
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作者名:みそらーめん | 作成日時:2016年11月25日 1時