夏の日差しが君を照らす 《1》 ページ13
紫「黄瀬ち〜ん。屋上行こー」
そう紫原っちから誘いがあったのはついさっきの事
ガヤガヤと騒がしい教室を抜けると
もわん…とした、夏特有の熱気が感じられた。
肌に張りつくワイシャツの裾を持ち
空気を入れようと手で仰ぐがあまり効果は得られない
廊下にはたくさんの男子があちこちに散らばり
ふざけあったり、話していたりした。
俺、黄瀬 涼太はそんな光景を見てはぁと
一つ溜息をつき、まいう棒を口に含んだ紫原に声を掛けた
黄「皆、元気っスよねぇ〜…」
紫「うんー。そうだねぇ。有り得ないしー」
黄「なんかこうゆうの見てると歳とったなぁって
感じるっス。俺だけっスかね？」
紫「えぇ。同い歳じゃん俺等」
黄「そうなんスけどねぇ」
のびのびとした会話をしているが
頭の中は「暑い」という思いでいっぱいだった
このあつさのせいで思考回路がうまくまわらず
何を返していいのか分からなくなる。
ぼけーとした頭でふと紫原を見上げると
彼もまた、暑そうにしかめっ面を作っていた。
紫「ほんとやだよねー。俺夏が一番嫌いだなぁ」
黄「分かるっス…虫とかもう最悪っスよね」
紫「うん。まぁ虫はあんまり気にした事ないけどねー」
「俺は気にしまくりっスよ」と苦笑してみると
紫原っちが俺を見下ろしてこう言った
紫「黄瀬ちんの前に虫がでたら退治してあげよっかー？」
一瞬、え？ってなったがただの戯れだろうと解釈し
「じゃあお願いするっス」と微笑んでみせた
紫原っちは「任せてー」なんて言いながら
まいう棒をぼりぼりと貪っていた。
そんな時。
−ﾋﾟﾛﾘﾝ
無機質なメロディーが何処からか聴こえてきた。
自分のポケットが震えたので多分俺の携帯だ
歩きながらも携帯画面を確認すると
『青峰 大輝』の文字が映し出されていた。
黄「青峰っち…？」
普段、携帯の表示に映し出されることない青峰からの
連絡を不思議に思いながらメールトップを見る
そこに書かれていたことは
−−−−−−−−−
赤司からの伝言なー
今日は屋上じゃなくて中庭で食べるそうだぜ
さきに行ってるけど来方分かるよな？
−−−−−−−−−−
メールの内容はすぐに納得出来たが最後の文字は
不服だ。俺が中庭の場所を知らないとでも思ったのか
流石、人を苛ただたせる天才こと青峰っちだ
と思わず笑を顔に浮かべると紫原っちが
「どしたの黄瀬ちんー？」と声を掛けてきた。
黄「中庭だそうっスよ。今日は」
紫「へー。じゃあ早く行こー」
僕達は守れなかった 《1》→←砂時計は刻々と。 《4》(とりま置いとく)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みそらーめん | 作成日時：2016年11月25日 1時
