風柱、拾いました【不死川実弥】

Day ３ ページ13

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ちなみに一昨日の夜、私が公園で拾った(言い方)時の不死川さんの服装は、例の隊服ではなく。



『そうだよね。鬼殺隊はとっくに解散してるのに、わざわざ隊服は着ないか』



最終話で描かれていた、袴姿だったのだ。


むしろそれで良かったかも。

いや隊服だけならともかくさ、あの「殺」の文字入り短羽織りまでセットだったら「やべーやつ」認定されてたと思う。



「まあなァ」と相槌を打つ不死川さん、とりあえず今はTシャツにジャージ姿だ。

足元なんてスポサン。



ごめんねと思うよ、元彼か置きっぱなしにしてた部屋着なんか着せて……

でも袴姿よりは浮かないんじゃないかと思うの……
もちろん洗濯してあるからね！




そんなわけで、とにもかくにもまずは洋服から。


…………早く風柱を、ジャージから解放しなければ！



駅近くのセレクトショップへと駆け込み、これぞと(私が)思う服をどんどん手に取っていく。


あ？ サイズゥ？？
風柱の身長・体重なんざ当然、この脳内に収めてあらァ！



『やっっっべ、、楽し過ぎ！』


「何がだよ」



呆れたように眉を寄せる、不死川さんのリアクションも何のその。

あれも似合いそうこれも絶対似合う、とブツブツ呟きながら、上下合わせて数組と、アウターを吟味した。



『よし。これ試着してみよう！』



困惑する様子は申し訳ないがスルーして、試着室へと腕を引き、その中に服と共に押し込む。

手伝いたいのは山々だけども、さすがに店内で痴女のマネは出来ん。


簡単に服の説明をし、ドアを閉めてから数分後。



「……これでいいンかァ……？」



まずは一組目、控えめなダメージ加工がされたデニムとパーカ、インナーはシンプルなカットソーというコーデ。



『……ぁぁぁぁぁぁぁぁ！』


「気持ち小声だなァ」



店内だからね。

いやでも…………似合ってる、似合ってるよ……！！
どっからどう見てもモデルだよ……！！



『まじ何でも似合うじゃん』


「洋装ってのは、どうも落ち着かねェな」



チッとお約束の舌打ちを(控えめに)かましてから、不死川さんはもう一度、試着室のドアを締めた。


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