【あんスタ】おおうそつき【深海奏汰】 (ページ6)

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出会いの季節/4 ページ6

「さんけつ……酸欠？」

「はい。えっと、この『すいそう』をかんりしてたひとっていますか？」

「……いませんね。気づいた人が餌やりする、みたいな感じで回っているみたいです」

「なるほど。……そうですね。……そういえば、けっきょく『これ』は『はんにん』をみつけるんですか？それとも、『しいん』をみつけるんですか？」

「あぁ、両方だそうです。」

「……そうま、すこしまっていてください。てんこうせいさん、いきますよ」

「深海殿、行ってらっしゃい、である」

「ちょ、引っ張んないでくださ～い」

　問答無用で私を引きずる彼。

　気がつけば、現場である水槽の前に立っていた。

「……かくじつに『さんけつ』ですね。『きざい』がたりません」

「……きざい？」

「はい。ほら、『ぺっとしょっぷ』のきんぎょさんのすいそうに……あれです、ぶくぶくするやつ」

「……あとで検索かけるので無理しなくてもいいです」

「……くうきぽんぷがはいっているじゃないですか。」

「はい」

　片手で検索をかけて、返事をする。たしかによく見る道具だ。

「それが、ないんです」

「……そういえばそうですね」

　調べてみれば、金魚も水中にある酸素を摂取して生きているらしい。

　その酸素が足りなくなって、一気に亡くなったようだ。

「つまり……これは『せんせい』や『じむいん』さんにちゅういしてください」

「はい。ありがとうございました。」

　そう言って彼の横を通りすぎようとすると、彼が私を制止した。

「……」

「……なんですか？」

　冷たい視線を送ってみても、わざとなのか可愛らしい笑顔で見ているだけ。

「おてつだい、しましょうか？」

「は？」

「みたところ、その『じけんぼ』の『りょう』……『じんじょう』じゃないんですけど」

「……」

　何だか、心の中を見透かされた気分だ。

「それに、ぼくはあのときの『かいわ』をきいています」

　あのとき、とは恐らく佐賀美先生との会話だろう。

　というか、それしか思い付かない。

「どうです？『あなた』は『らく』ができる。それに、ぼくをこきつかえる。『わるいはなし』ではないでしょう？」

「それ、言い方どうにかならないんですか？」

「ふふ、もともと『こういうせいかく』なので～♪」

「……分かりました。貴方を補助役にします。……この事は、他言無用で。」

　そしてこのくだらないうえに意味がわからない事件のせいで、全てが始まったのである。