【あんスタ】幸せ記録【逆先夏目】 (ページ8)

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6枚目　機転ページ8

やがて、ボクらは忌み嫌われる存在となった。

　そう、生徒会とfineが本格的に始動してしまったのだ。

「師匠、ボクも行くヨ」

「いえ、結構ですよ。それより、今日はどんな写真が撮れましたか？」

　兄さんたちがボクを庇っているなんて、単純明快なことだった。

　下ろした腰を再び上げようとすればすかさず誰かが止める、比喩をすればそんなところだろう。

「……」

「……あっ、見つけました！」

　何かガサゴソしていたかと思えば、師匠はボクの私物棚を漁っているところだった。道化師のような魔法使いのような動作はせず、ただ淡々と。

　出してきたのはかなり分厚くなってきたリングタイプのアルバム。今まで撮ってきたものを収納するため、春頃に買ってきたものだ。

「見たいならどうゾ。対して面白いものは出てこないと思うけド。」

「えっ、割と面白いものありますよ？」

「エッ？」

　反射的にアルバムを覗き込む。細長い指が差したのは、いつぞやの零兄さんとボク。

「それからこれは……宗ですね」

　花、砂糖菓子、風景……色々なものが散らばったボクのアルバムは今となってはありがたいものだった。

　だって、この最悪な雰囲気に飲まれたくはない。そんな下らない理由だけれども。

「師匠、撮るヨ」

「はい♪」

　突然そう言うボクにはもう慣れてしまったのか、特に気にするようすもなく返事を返す。

　鳴り響く軽いシャッター音。

　これを現像すれば、どのような光景が見えるのだろう。

「……はぁ……師匠、それ戻しておいてネ。ちょっと出掛けてくル」

「行ってらっしゃいませ！」

　高鳴る気持ちとは裏腹に、言葉にできないような黒く渦巻いたものが胸辺りを擽る。嫌な予感、とはこのことだろうか。
　

　師匠の満面の笑みを最後に、ボクはその気持ちを抱えたまま秘密の部屋をあとにした。