【あんスタ】sugar candy【日々樹渉】 (ページ26)

今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:22,812 hit

sugar candy/3 ページ26

〝二人の子供は無邪気に笑う。

『約束だよ、日々樹さん』

『えぇ、いつかまた。』

──次会えたら、愛し合おう。〟

「あぁ、……思い出しました。」

　机に突っ伏して横を向き、真面目に授業を受けている仁兎の姿を見上げる。

　あれから結構経った今、もう季節は冬になった。

　

(本当に、唐突に思い出しましたねぇ)

　だけど、この約束はもう無くなったことにしてしまおう。

　そう思って、目を閉じた。

＊

「お～い、Aこっち！」

「はいは～い！」

　元気よく返事をして駆け出す。

　その時、綺麗な長い髪をした人とすれ違った。

　思わず振り返ると、やっぱりあの人で。

　隣には、ピンクの髪の人がいた。

　目を細めて、小さく笑って見送った。

──そして、『旧き友らと忘年会』へ。

＊

「あの約束を、忘れましょうか」

　そして、星形のsugar(砂糖)を噛み砕いた。