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「──ということです。どなたか、協力してくれませんか？」
「ふむ、興味深いな。だが、俺は無理だぞ」
即座に否定したのは北斗くん。
「おや、そうですか」
「あぁ、一応演劇部ではあるが……今は、『Trick star』に集中したい」
確かに、『部活』よりも『ユニット』が優先されるこの学校。
北斗くんは、それを守ったまでだ。悲願する必要もない。
「あ、俺参加します！ちょっと俺単体とRa*bitsユニット活動の成績がまちまちなので……」
「歓迎しますよ、友也くん。さて、夏目くんはどうしますか？」
「ボクは遠慮しておくヨ。もう枠は埋まっているんでしょウ？」
「お見通しでしたか。さすがは『魔法使い』ですね☆でも、枠なら今から増やせますよ？」
「それ二、ボクは個人で用事があるかラ。」
「そうですか。そういえば、11月末にライブやるとか前代さんが──」
「センパイの話を持ち込むのはやめてネ。そんなわけで、ボクは参加しない。あぁ、応援には行ってあげるヨ。」
「ありがとうございます。」
こうして、私──日々樹、仁兎、真白の圧倒的に白いかつ可愛い(？)、異色臨時ユニットが誕生した。
＊
「──で、いいですか？」
「あぁ、構わないよ。舞台で美しく暴れてくるがいい」
「おい、英智。今更になって中二病にでもなったか？」
「はは、やだなぁ。ちょっとした遊び心さ。ほら、渉がよく言うだろう？世界は驚きに満ち溢れているって……♪」
あっさりと通った臨時ユニットの書類。
あまりにもあっさり過ぎて、少し拍子抜けしてしまった。
「フン、楽しそうだな。」
「うん、楽しいよ。今日は英智くんゲージがなかなか上がらないし……♪」
「何よりだな。」
「無理しないでくださいね？」
彼の事を考え、最近は大人しくしている自分。
あぁ、そろそろ暴れたいですね。
「しかし、『rabbit_clown』ねぇ……兎の道化師？これまた随分安直だね」
「たった一度きりのステージですから。それに、兎さんが二人もいるのに、rabbitを使わないでどうするんですか？」
冗談混じりに言って右目を閉じる。
「はは、確かに。」
「さて、私はこれで失礼します。右手の人、英智を頼みましたよ☆」
「言われずとも分かっている」
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作者名：竜花 | 作成日時：2019年3月8日 20時
