転校生の魔法/3 ページ14
「まぁ、それはいいとして。……実際、どうなんですか?」
「……なんでこのむさ苦しい空間の中で恋バナしてるんだろうネ。……その通り、兄さんの情報で合ってるヨ。」
「ほぉ!つまり、私の弟子に春が来たと……!」
「なら良かったんだけどネ。生憎、そう簡単にはいかないものサ。」
目を伏せると、もう半分を切っている紅茶に自分の顔が映った。
「そうですか。……生憎、私が手出しできるところではありませんからね。頑張ってください」
珍しくストレートな言い方。
「……ありがとウ。」
そう笑ってみせると、あちらもはにかんだ。
「ですが、精一杯手助けはしますよ」
「それは最低限に抑えるヨ。」
「……そういえば、君のお隣の方はどのような方なのでしょう?」
「……そんなに面白い子ではないヨ。」
「ほぉ。お名前は?」
「AA。」
その無垢な瞳に耐えきれず、包み隠さず全てを話した。
「これまた、素敵な恋ですねぇ。台本の参考にさせていただきます」
「一気に台無しだネ」
「まぁまぁ。」
どこからともなく鳩や謎の虹色ゼリー、薔薇などを出し続ける己の師匠にはとりあえず軽く腹パンを入れた。
途中、授業の鐘が鳴り響いたが出る気にはなれず、二人で談笑することになった。
──小さな
*
──そして5日後。
無事に、チケットは彼女の元へ届いた。
「……何これ。チケット?」
「さぁ。切手がないから、逆先さんのところの子じゃない?」
「うん……」
部屋に戻って、窓を開ける。
10月の下旬。もう肌寒い時期だ。
窓枠に肘をつき、そこにあった椅子に座って向こうの部屋を眺める。
カーテンは開けっ放し。
向こうの部屋にはシンプルな寝具や棚が見えた。
そこに、異様に存在感を放っているゲームの山。
開け放たれたクローゼットには、これまでに着たであろうおそらくアイドル衣装や練習着。
そこに混じって、白衣やワイシャツが掛けられていた。
意外と『男子高校生』の部屋という感じはある。
「……はやく、夜にならないかなぁ」
──あの人、私の想う人と話せる時間に。
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竜花(プロフ) - Mashiro Lioさん» 私の謎の叫びまで目を通してくださりありがとうございます!(笑)この作品が一番初めに作ったものでして、至らない点が数多あったりするかもしれませんが、ビスクドールの方も、こちらの作品の方も読んでいただけて、本当に嬉しいです。本当にありがとうございます! (2020年7月12日 10時) (レス) id: e7d73b0617 (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro Lio(プロフ) - ビスクドールの方から来た者ですが、本当におもしろかったです!読みやすくてキュンキュン(?)な所もあって、読む手が止まらず一気に読了しました!あと、叫びは本当に「あ〜確かに、気持ちわかる〜」と思いながら読みました笑。素晴らしい作品をありがとうございます! (2020年7月12日 7時) (レス) id: 97626e8ffb (このIDを非表示/違反報告)
竜花(プロフ) - つぶあんさん» ありがとうございます!まだまだ至らない点が多々ありますが、楽しんで頂けたのならば幸いです。御気遣い感謝致します! (2019年6月4日 23時) (レス) id: e7d73b0617 (このIDを非表示/違反報告)
つぶあん - 夏目君大好きなので、こういうの本当嬉しいです!! これからもお体に気をつけて、素敵なお話つくってください!!! (2019年6月4日 20時) (レス) id: aed030ecf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:竜花 | 作成日時:2019年1月27日 19時