勇気と慈愛 tri Ⅱ (ページ19)

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⑩ ページ19

「好きだ、A

　俺もずっと、Aだけ好きだった」

俺の突然の告白に周りのやつらは大声で驚き騒ぎ始めた

Aは声にならないのか黙っている

「遅くなっちまってごめん、

　Aは別のやつが好きなんだと思って、言えなかった。けど、あの時俺も好きだって伝えられなくてすっげぇ後悔した。

　Aが好きだって言ってくれて嬉しかった。
　信じられないくらいうれしい…今も、こうやって触れられるのが嬉しい…

　今俺の気持ち全部伝えきれないけど、それくらいAが好きだ」

さっきまで騒いでたやつは空気を読んで黙り俺たちを見つめていた

「俺と、付き合ってほしい。

　俺の彼女になってほしい。

　好きな時に好きなだけAのことが好きだって言えるようになりたい」

Aはなんていうだろうか

どんな反応するだろうか

『わ、わたしも

　太一くん、好き…大好き…っだから、彼女にしてっ…』

顔真っ赤にして涙目で、眉尻下げて、

照れなのか嬉しさなのかがキャパオーバーでいっぱいいっぱいになってるのが分かる

さっきまで俺が強く抱きしめていたがAも俺の背中に手を回して抱きしめ返してきた

『遅いよ、ばかぁ～…』

「ごめんな、
　今だけじゃなくて、昔誤魔化して逃げたのも、ごめん」

『もう振られたと思ってあきらめようとしたのに、

　太一くん以上に好きになれる人いないし、

　久しぶりに返ってきたらすごくかっこよくなってるし、優しいし、、
　私をあきらめさせてくれないんだもん…！』

「諦められたら困るからな

　俺も、今までずっとA以外好きになれなくて、再会できてすっげぇ可愛くなってるし、綺麗だし、なんかふわふわで可愛いし、、なにかとドキドキさせてくるし…

　Aの好きな奴ずっとヤマトかと思って、でも諦められなかった」

『えっ、私もずっと太一くんが好きなのはメイコちゃんだと…』

２人で顔を合わせて数回瞬き

そしてそのあとふっと笑う

「俺たちすれ違いばっかだったな」

『そうだね』

「あの～…
　そろそろ話してもいい？」

「あ、」『あ、』