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五年生になった所で一年の進むスピードは相変わらず早いもので、気がつけばクリスマス休暇に入ろうとしている。

行き慣れたホグズミードも、プレゼントを考えている間だけはどうも知らない町みたいだった。

当然ティーンの女の子が欲しいものなんて見当もつかない。

そもそも、自分なんかが思い付くアクセサリーは山ほどもっているだろうし、あれから音沙汰のない子へいきなりプレゼントなんて気持ち悪がられるに決まってる。

でも何もしないのは嫌だ。

お菓子は無難すぎ?
文房具は好みが別れる?
魔法便利アイテムなんていらない?

ホグズミードの店をすべてまわりきったとき、疲れきってしまったので三本の箒で休暇した。

「ジェームズ、シリウス!ここにいたんだ」

「やっと来たなムーニー!」
「バタービール三杯追加で!」

「ところで、A・ガルシアとはどんな感じだ?」

いきなり小声で聞いてくるものだから、少し照れくさい。

「進展ナシ」
「それに、クリスマスプレゼントとか、何にも決まってない」

「おいおい冗談だろ?流石に住所とかは聞いたよな?」

「いいや。何も知らない」

「空いてる日も?」

ジェームズは口に着いた泡など気にする余裕もなさそうに三割減ったバタービールのジョッキを机に叩きつけた。

住所も聞けないのに、空いてる日を聞くなんて以ての外だろう。

「あー、レイブンクローなんだ、無難に羽ペンなんてのはどうだ?」

「どの書き心地がいいか分からなかった」

「ハニーデュークスのお菓子は?リリーや周りの女の子がよく買ってる」

「アレルギーがあるかもしれない」

「それこそ本人に聞け!」

「魔法便利アイテムは?」

「彼女首席だぞ、要らないに決まってる」

当たり前の指摘に挫折しそうになりながらやっときたバタービールで雑念を流し込んだ。

やっぱりやめたほうがいいかもしれない。

「しかし、今さらやめようったって遅いぜ?なんてったって、クリスマス休暇は帰ることが確定してんだからな」

「パッドフットは帰らないけどな。というか、リリーは"今年もAとお手紙交換するのよ"って喜んでたし、ちょっと住所とか好み聞くのなんて朝飯前だろ?」

「だと嬉しいよ」
「でももう無理だ、明日には出発する」

どうやって三本の箒から帰ったのか、机の上でうなだれてからの記憶がないリーマスはバタービールの匂いで吐きそうだ。


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作者名:おーすし | 作成日時:2023年2月11日 19時

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