信用した訳じゃねぇよ! ページ10
「中々の推理だねぇ?と言うか匂いを正確に覚えているなんて凄い記憶力だ」
俺の話を聞きそう感嘆の声を漏らす森さんに尋ねる。
「で?これは毒なのか?」
「否、ちゃんとした薬品ではあるよ?ただし使用量を間違えると毒になるという管理の難しい薬品なのだよ。主にそのまま使うより調合して使われる事が多いかな?まぁ、そういう薬品だよ」
「ふーん。薬品にも色々有るんだな…」
少し面白いと思った。
薬品を組み合わせる事で毒にも薬にもなるその変化が。
俺は考えるよりも先に口から言葉が出た。
「なぁ、森さん。俺にも薬品とかの調合の仕方、教えてくれよ?」
「おや?興味を持ったのかい。いいよ。君なら悪用はしないだろうからね。ついでに治療の仕方とかも知る?」
そうノリノリで聞いてくる森さんに苦笑しつつ俺は頷いた。
「あぁ、そうしてくれると嬉しい」
「ふふ!Aったら私達のこと信用してくれたのかしら?」
「ふふ、そうかも知れないねぇエリスちゃん」
そうにやにやと笑って答える森さんとエリスの言葉に自分で驚く。
「ッ!俺、いつの間にか警戒心完全に無くしてた……!」
「ふふ、そうかい。それは良かったよ。信用してくれたみたいで嬉しいね」
「私もよ!」
そう言う二人の笑った顔を見て俺は顔が真っ赤になる。
「し、信用した訳じゃねぇよ!」
「まぁ、そういうことにしてあげるよ」
「Aったら可愛いわね」
俺が慌てて否定すればそうクスクスと笑う。
本当に信用した訳じゃないってのに!!
だけど心の片隅で少しだけ思う。
……本の少しだけ俺はこの二人を信用しちまってんのかもしんねぇな…
それでも完全には信用してないんだからな!
勘違いすんなよ!
そう思いながら俺は顔を真っ赤にしてもう一度叫ぶ。
「笑うんじゃねぇよ!本当の本当に信用してねぇんだから!」
ーー
ツンデレ化した…
【桐崎君にとっての周りの印象】
乱歩:唯一異能で一度自分の事を忘れた筈なのに覚えてくれた人物。推理だけで自分との関係を割り出した乱歩の事は本当に凄いと尊敬している。
305人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
那戯田沢 亜須@グラブル中毒者(プロフ) - 倉の中の石さん» ありがとうございます!思惑通りに暗い過去と思って頂けてついガッツポーズを仕掛けました(笑)続編頑張りますね!! (2019年7月8日 0時) (レス) id: 480a6a9b45 (このIDを非表示/違反報告)
倉の中の石 - すごく面白いです。こんなに自然な暗い過去は久しぶりに見ました。続編も頑張ってください。 (2019年7月7日 17時) (レス) id: 873805d7e2 (このIDを非表示/違反報告)
那戯田沢 亜須@グラブル中毒者(プロフ) - 鶴さん» 読んで頂きありがとうございます!更新頑張りますね!! (2019年7月7日 14時) (レス) id: 480a6a9b45 (このIDを非表示/違反報告)
鶴(プロフ) - 初めて見たんですが、とっても面白いです!更新頑張ってください!応援しています! (2019年7月7日 14時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
那戯田沢 亜須@スマホ使用不可で低浮上中(プロフ) - 夜美さん» ありがとうございます!まだ推敲中ですががんばりますね!! (2019年7月5日 20時) (レス) id: a29dbc7b52 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ