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《一松》サンタですが何か。 ページ10

※季節ガン無視








「こんな所で何してはるんですか、お姉さん」

「え、さ...サンタさん?」









真っ黒なサンタクロースの格好をした人がしんしんと降り注ぐ雪の中に現れた。冷たい木で出来たベンチに腰掛け、ホット缶コーヒーを開けようとした格好のまま一時停止。目にくまを作ったサンタさんはじとりと私を淀むオーラを放ちながら見ていた。









「彼氏待ち...とか?」

「いいえ...?そういうサンタさんは彼女さん待ちですか?」









“彼女”というワードを耳にした途端に真っ黒オーラが物凄い勢いで立ち込めた。そのワードは彼にとっては地雷らしい。









「よかった、アンタが彼氏待ちじゃなくて。もしそうなら爆弾でもプレゼントして帰ろうかと思った。」









どんなバイオレンスサンタなんだ。怖すぎる。この公園のゴミと化していたのか。危ない。というか相手がいないからそんな心配は必要ないやと胸をなで下ろす。

そしてゆっくりと隣に腰掛けていたブラックサンタさんを盗み見ると目が合った。盗み見た意味がなかった。彼はぶるぶる震えていて鼻水が顔を覗かせていた。






「サンタさん...よかったら、これ」








こんなのしかないけれど...と持っていた缶コーヒーを差し出せば、思いがけない出来事だった様でサンタさんは眠たそうだった目を見開かせた。









「なんでくれんの。俺みたいなゴミみたいな奴に。聞いたでしょ?俺カップル爆発しに来てんだよ?」

「でも寒そうだから」

「理由になってないし...アンタのじゃん。アンタが飲みなよ」

「じゃあ半分こ、しますか?」









彼の顔が物凄い顔になった。文章では表せない物凄い顔だ。そうでもしないと飲んでくれそうにないから最終手段。








「あ、でも今日あった人とそんなことは馴れ馴れしいですかね...すみません」

「飲みます、飲ませてください。むしろぶっかけてください。」








突然食い付きが良くなった彼に戸惑いつつ缶コーヒーを開けて半分飲んで彼に渡す。

受け取った彼の手は震えていてびちゃびちゃとコーヒが器用にこぼれていた。









「あっつ!!あっっつ!あ、でもいい...」

「え?!サンタさん拭かないと!」









満足げに夜空を仰ぎながらそんな事を呟いたサンタさん。私は彼の服からコーヒーを拭き取りながら聞いていた。

案外クリスマスも悪くないって思ってくれたのかな?なんて思いつつ小さく笑うそんな夜。

《チョロ松》おとなしくしててね。→←《カラ松》花と本音と忘れた頃に。3



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百済(プロフ) - 皆様のコメント有難く読ませて頂いております…!亀更新ではありますが、よろしくお願いします!m(_ _)m (2018年1月28日 22時) (レス) id: fe9dde1d5a (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - なける( i _ i ) (2018年1月6日 21時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
朱華 - おおおおお!!!カラ松格好いいよ!! (2016年8月28日 12時) (レス) id: 24638162af (このIDを非表示/違反報告)
百済(プロフ) - ユウさん» 全然大丈夫です!いくつでもどうぞ^^ (2016年4月8日 18時) (レス) id: 47be61fde2 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - リクエストしたいんですけど…今どれくらいリクエスト来ていますか?あまり多いと大変かと思って…落ち着いたらまたリクエストさせて頂きますけど… (2016年4月6日 22時) (レス) id: 21be5ef3c7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:百済 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/54efcae0b51/  
作成日時:2016年4月2日 20時

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