152 バレンタイン ページ9
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那須「あら、Aちゃん。」
『…那須。』
狙撃手の合同訓練が終わり、本部基地内廊下を歩いていると、トリオン体の那須に会った。
『部隊のミーティングがあるって日浦から聞いたけど…。』
那須「そうなんだけど、個人ランク戦をしていたら少し遅れちゃって。今から作戦室に戻るところなの。」
だから小走りだったんだ…。
那須「Aちゃんは悩んでるように見えたけどどうかしたの?」
『…バレンタイン、どんなクッキーを作ろうか迷っ_____』
那須「バレンタイン!?」
那須は私の両肩を掴んで、驚いた顔をする。
どうやら"バレンタイン"という言葉に食いついたようだ。
那須「誰に渡すの…!?手作り…!?」
『"お世話になっている人たちに手作りチョコを"と思って…。勿論、那須隊の皆にも。』
那須「本当…!?ありがとう、楽しみにしてるわ…!」
すると那須はニコリと微笑んだ。
…こんな那須、初めて見たな。
『…そんなことより皆を待たせてるんじゃないの?』
那須「そうだった、…Aちゃんまたね。」
私は知らなかった、バレンタインまでの優しさを。
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作者名:満月 | 作成日時:2023年2月19日 22時