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長い夜が始まった。
沢山の人たちが祖父に挨拶をし、流れるように未婚男性を私に紹介する。
私は笑顔を張り付け、"本当"を隠す。
これからは誰にもバレちゃいけない、…過去のような苦しみを味わいたくなければ。
「白永さん、招待いただきありがとうございます。」
この人の匂い、…どこかで。
祖父に挨拶へと来た男性の匂いはどこか知っている匂いに似ていた。
「お孫さんの白永Aさんですよね。息子から話は聞いてます。」
急に話を振られ、私は首を傾げる。
『息子さん…ですか?』
「あ、失礼しました。名前を名乗るのが先ですよね。
私はボーダーに所属している…
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来馬辰也の父、来馬___です。」
匂いが来馬さんに似ていたから来馬さんの親族だとは思ってたけど、来馬さんのお父さんだったとは…。
「息子も連れて来たかったのですが、ボーダーが忙しいとのことで。忙しい合間を縫って、こういう場に参加されるとは流石白永さんのお孫さんですね。」
祖父「ははは、ありがとうございます。しかし孫は最近ボーダーを辞めましてね。大学受験に力を入れるそうです。」
来馬さんのお父さんは祖父の言葉に驚く。
「そうなんですか!?息子からお孫さんは"ボーダー最強隊員と呼ばれる存在でとても頼りになる"と聞いていましたので…。」
私が…頼りになる?
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作者名:満月 | 作成日時:2023年2月19日 22時