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『…小南、笑ってよ。』
小南の涙が私の頬に落ちる。
小南「あんたのせいで泣いてるんだからね…!」
『…わかってる。
でも…
、
、
、
、
、
、
笑ってほしい…の。』
初めて会った時から小南は色んな表情を見せてくれた。
眩しくて、太陽みたいで、…私とは正反対。
私は"笑顔"が好き。
両親の笑顔も、友達の笑顔も、祖母の笑顔も、ボーダー隊員の笑顔も、三門市民の笑顔も、…全て好き。
ー父「気味が悪いな…。」ー
ー母「…最近Aが人間以外のものに見えてしまう。」ー
ー「え、なんか嫌だなー。」ー
ー「相変わらず近寄り難い人だよねー。」ー
ー祖母「いつからそんなに"悪い子"になっちゃったのかしら。」ー
…だから笑顔が消えたら苦しくなる。
『…小南、…私苦しいよ。』
私は腕で顔を隠す。
『私が"オモウママ"に生きたら、…皆の笑顔が消えちゃう。』
消えたい、どこか遠くへ。
逃げたい、この苦しみから。
見てみたい、私が水やりをしなくても咲く笑顔を。
『…私は皆みたいに"普通"にはなれない。』
辞めたい、"良い子"を。
認められたい、"悪い子"を。
『…誰か…助けて。』
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作者名:満月 | 作成日時:2023年2月19日 22時