オモウママ二。４ (ページ28)

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私は東さんが持ってきてくれた傘を借りて本部基地へと帰る。

その途中横断歩道の青信号を待っていると、東さんの口が開いた。

東「白永がボーダーを辞めることは上層部から聞いた。でも理由はまだ聞いてないんだ。…教えてくれるか？」

『祖母に言われたんです、"受験勉強に集中しなさい"…って。』

東「…そうか。じゃあ白永はそのことについてどう思ってるんだ？」

『…え？』

私は東さんを見上げる。

東「俺は白永の意見が聞きたい。」

きっと昔の私なら"誰かが喜んでくれるなら"と答えていた。

『あの時私は祖母への説得の言葉を探していた、…ボーダーに残るために。』

でも今は、…今の私は違う。

『っ…私は多分ボーダーを辞めたくない。』

東さんはそんな私を見て微笑んだ。

東「"多分"じゃない、白永は"辞めたくない"って素直に(・・・)思ってるよ。そうじゃないと、…その表情は出来ない。」

水溜りに雫が落ちる。

そしてその水溜りに映る私は…

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、

、

、

、

、

泣いていた…。

『…でも"辞めたくない"より…"怖い"が勝ってしまった。私…臆病なんです…。化け物を見るような目が、人として扱ってくれない態度が、"普通"になれない私が、っ…怖くて仕方ない！』

東「"怖い"と思えるなら、白永は立派な人間だよ。"怖い"から逃げるのは構わない、…でも後悔だけはしないように。」

酷い雨音より青信号になったと知らせる優しい音が、…私の耳に強く鳴り響いていた。