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そういえば、小さい頃ここによく来てたな…。
この場所はいつも私の笑顔の練習場所だった。
『なんだか…懐かしい…。』
ここではいつもひとりになれて、ここでは色々なことを考えることが出来た。
『…無意識にここへ来たってことは…"オモウママ"に近づけてる…のかな?』
嬉しいはずなのに、喜ぶべきなのに…
ー二宮「見てて気味が悪いからやめろ。」ー
二宮さんの言葉が邪魔をして、心がずっとモヤモヤしてる…。
"笑いは人の薬"っていうのに、…何が駄目だったの?
"笑って損した者なし"っていうのに、…なんで上手くいかないの?
きっと答えは単純なはずなのに…
『私には難しすぎる…。』
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、
、
、
、
東「何が難しいんだ?」
っ…東さんがどうしてここに?
雨音と考え事をしていたせいで全然気づかなかった…。
東「きちんと拭かないと風邪引くぞ。」
東さんは自分が着ていたコートを私の肩にかけ、タオルを貸してくれた。
『…コートもタオルも濡れちゃいます。』
東「別にいいよ。タオルは白永用に持ってきた物だしな。」
私は礼を言い、タオルで髪を拭く。
東「さ、帰ろう。みんな心配して_____」
『っ…帰れません!』
ポタポタと髪から雫が落ち、そのせいで地面の色が少し濃くなる。
『私の笑顔、…変なんです。だからもっと練習しないと…。』
東「練習って、笑顔の練習のことか?」
『はい、自分では上手く笑えてる気でいたんですけど。…私上手く笑えていませんか?』
と私は東さんに笑顔を見せてみる。
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作者名:満月 | 作成日時:2023年2月19日 22時