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『ボーダーに来るなんて初めだね。あ、もしかして私の職場訪問?』

私は久しぶりに表情筋を動かして祖母の隣に座る。

祖母「ふふ、似たようなものよ。」

と私を頭を撫でる祖母。




祖母の手は


忍田さんより柔らかくて


忍田さんより冷たく感じた。





祖母「Aちゃん、単刀直入に言うわね。


































ボーダー隊員を辞めなさい。」

『…え?』

予想外の発言に私の頭は真っ白になる。




祖母「Aちゃんが来る前に本部長さんからボーダーでのAちゃんの成績は聞いたわ。ボーダー隊員トップの実力を持ってるなんて誇らしいわ。

…でも私は心配なの。」

やっと、ボーダー(ここ)が楽しいって思えたの…。

っ…ボーダーを辞めたくない!




『ボーダー隊員は生身で戦ってるわけじゃないの。斬られても血は出ないし、戦闘不可になったら基地へ帰る仕組みにもなってる。』

私は祖母のボーダーへの危険度を和らげようとする。

『心配してくれてるのは嬉しい…。でも私は大丈夫____』

祖母「ではないでしょ?」

犬飼先輩と同じような冷たさが私を襲う。




祖母「私が心配しているのは進路のことよ。Aちゃんは将来医者になるの。だから大学受験に将来がかかってる。…私はね、全力で応援したいの。」

っ…嫌だ、っ…駄目。




祖母「Aちゃんが通ってる高校はボーダー推薦で大学に入学する生徒が多いそうね。

Aちゃんは難関大学を受験するの。…いくら進学校だからって推薦で入学する生徒とは違うわ。

だから私はAちゃんの転校も考えてる。Aちゃんには仲良くするお友達を選ぶ必要があるから。」

私の居場所を奪わないで…。

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作者名:満月 | 作成日時:2023年2月19日 22時

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