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164 突然な望み ページ21

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犬飼先輩の目から逃げられなくなっているとスマホが鳴った。

ポケットから急いで取り出すと、スマホの画面には"忍田さん"という文字が。

『はい、…白永です。』




『…え?』





┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈




『白永です。っ…失礼します。』

と入ったのはボーダー本部基地の会議室。

その部屋には忍田さんと…


































祖母の姿があった。




『…お久しぶりです。』

と私が言うと、祖母は微笑んだ。

祖母「お久しぶり、Aちゃん。ふふ、緊張してるの?私たちは血の繋がった家族よ?敬語は要らないわ。」

母と似たような笑みに私は昔を思い出す。




震える脚、言葉を失う口、早くなる心音。

…どうすればいい?

私は何をすればいい?

祖母「Aちゃん…?」




…わからない。

っ…わからない!

ああ、また…わからなくなっていく。

祖母「具合でも悪いの?」




…昔の私はどうしてた?





いつも笑顔を振る舞い


誰かの為に動き


周りに迷惑をかけない


普通で





っ…普通で





普通な子で…!





『ごめんなさい、ボーッして…。


久しぶりに会えたことが嬉しくって。』





…それが私の望まれた"良い子"()だ。





私はやっぱり変われない。


何も…解らない…。

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作者名:満月 | 作成日時:2023年2月19日 22時

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