103 bourbon side ページ6
「うーん、米花町か.......」
コーヒーを片手に、パソコンと睨めっこ状態でいること早3時間。
あの後、最近のAの行動やら香山さんが篠原に話してくれた情報を色々と聞き
なぜ自分に内緒で行動しているのか考えた結果、自分が色々と手をかけすぎてきたのだろう...
彼女は他人に迷惑をかけたり、借りを作りたくない性格だ。
「彼女らしいといえば、彼女らしいか......。けど僕の気持ちには気づいてないみたいだ」
横目で棚を見れば、警察学校時代の景光との写真が目にうつった。
「ヒロ、許してくれ。気付かぬ間に僕も彼女のことが、好きになっていたみたいだ」
だから今もこうして彼女が退院後に住める家探しをしている。
だが自分に内緒で彼女が行動をしているということは、きっと僕の前から消えるつもりでいるのだろう....
いくら彼女に組織での経験値があったとしても、ヤツらの目はいつどこにあるか分からない。
ジン達が彼女が普通に生活しているところを見かけようなら、確実に死が待っている。
そんな丸腰になった彼女を放置しておくなんて危険だ。
ならせめて、僕の目にあるところに置けるのならまだ守ることが出来る。
めぼしい物件をお気に入りに入れ、パソコンをとじた。
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翌日ー
いつも通り、彼女の元を訪れれば変わらず笑顔で迎えてくれる。
「安室さん、徹夜しましたか?」
「少し遅くまで仕事をしていたからかな…顔に出ていますか?」
「少しクマがでていますよ…あまり無理しないでくださいね」
彼女の細い指が自分の目の下をなぞり、その部分が熱くなっていくのを感じた。
そんな自分のことを心配してくれる彼女が、退院のことも家探しをしていることも内緒にしていることに、少し意地悪をしたくなった
「ご心配ありがとうございます。Aさんも日に日に回復してきてますし、退院ももうすぐですかね?」
「あ、えーと、そ、そうですね!けど、篠山先生からはもう少し安静にと言われているので、まだかかるかなぁとは思います」
少しうろたえた態度をとりながらも、いつも通りを装う彼女がおもしろい
「? 安室さんなんで今日はそんなニコニコしているんですか?」
「はやくAさんが退院して、また一緒に暮らせる日がこないかなと思いまして。想像したらつい」
そう笑いかけると、口をぱくぱくさせ赤くなる彼女に更に笑ってしまう。
きっと退院日にはもっと驚いた表情が見れるだろう、今から楽しみだ。
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ワカ(プロフ) - あの・・・128の次が130になってます (2020年4月23日 20時) (レス) id: 709076fccc (このIDを非表示/違反報告)
たーちゃん - とても、おもしろかったです。これからも、頑張ってください! (2020年3月16日 19時) (レス) id: 66fad934a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アプリコット | 作成日時:2019年5月7日 2時