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食べすぎた…と思い、ベランダで涼もうと外に出れば

そこには電話中のかな兄がいた。

要「ははっ、そうだよ。うん…うん…わかった。会えるの楽しみにしてる。…うん、それじゃ。」

かな兄は電話を切ると、私に気がついたようでパッと笑顔になった。

「檀家さんから?」

要「ん?違うよ。もっと身近な人からの電話」

そう言うかな兄は目を細めて笑う。

身近な人って…かな兄に恋人がいるとは聞いた事ないが…
女性関係は色々ありそうだし、まさか…?

そう思うと少しイラッとして、私は部屋へと戻ろうとした。

「楽しい気分の中お邪魔しました」

ベランダのドアを開けようとすれば、その上から手が重ねられ阻止される。

「手どけて。中に入れないよ」

要「そんな可愛い顔してる〇〇ちゃんを、みんながいる所に返したくないからさ」

女の子がカン違いさせるセリフを簡単に吐く兄に
思わずため息がでる。


「離して。私…恋人がいる人には興味ないから!」

そうかな兄を見てきっぱりと伝えれば

要「恋人…?ふっ、はははっ!…もしかして、今のひかちゃんとの電話が恋人との電話だと思ったの?」

可笑しそうに私の顔を見て笑うかな兄に、頭にハテナが浮かぶ。

ひかちゃん?どこがで聞いたことある呼び方…記憶を辿っていけば

そういえば、前につば兄が話してた気がする。
かな兄の一つ下の四男が、"光"こと"ひか兄"と呼ばれていることを!

「〜〜ッ私の反応を楽しんだでしょ?」

要「嫉妬してくれてるのかなーって思ったら可愛くて、ね?」

そう言って許可もしていないのに抱きしめてくるかな兄


だがその原因が分かった
まだ2次会すら始まっていないのに、かすかにお酒の匂いがした。酔っ払っているのか…と一連の行動に腑に落ちる。


数日前に仲直り?はしたが、お酒を飲んでいるとはいえ距離の詰め方が急すぎる。
私がまだ怒っているとは思わないわけ?


かな兄に呆れつつ、そろそろ本当に部屋に入りたくなったため
無理やりかな兄の手をひいてリビングへと戻った。


気がつけば料理はほぼ完食に近い状態になっており
学生組はテレビの前でパーティーゲームをして盛り上がっていた。

雰囲気的にはそろそろお開きなのだろう…。

かな兄はひとまずつば兄達に押し付け、私は右京兄さんの片付けを手伝うことにした。

絵麻はゲームで盛り上がっているみたい

妹から少し離れてみようと決めたが
完全に気にしないことはどうしても無理で、どうしても目で姿は追ってしまう。

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作者名:アプリコット | 作成日時:2023年8月16日 1時

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