〜零〜｢過去｣ ページ1
音side
僕は、代々、星の呼吸を受け継いでいる家に生まれた。
音「父上！どうしたら父上の様な格好いい柱になれますか？」
父「鍛練あるのみだなぁ」
父上は柱で、家に居ることは少なかったが、とても優しく、強い人だった。
杏寿郎「音！今日は何をする？」
音「素振りでもしようか。」
杏寿郎「あぁ！」
鬼殺隊との関係で、煉獄家とは、とても仲が良かった。
杏寿郎は、毎日の様に家に来て、僕と鍛練をしていた。僕も、何回か煉獄家で鍛練したことがある。
優しい家族や、友達に恵まれ、毎日が幸せだった。
だが、不幸は突然訪れる。
ある夜、任務に出掛けた父が帰ってこなかった。
鬼狩りは命懸けだ。いつ死んでも可笑しくない。
それでも、僕達は父上に死んでほしくなかったのだ。
音「父上やられてませんよね？」
母「えぇ。必ず帰ってくるわ。」
三日後、腕に包帯を巻いた父上が帰ってきた。
いつもなら、｢ただいま｣と言いながら、大きく、固い手で僕を撫でてくれる。
だが、その日は｢ただいま｣と言わなかったし、僕を撫でてくれることも無かった。
しかし、僕は気付いてしまった。いつも刀を持っている手が無かったのだ。
音「父上・・・手が・・・」
父「鬼に切られてしまったんだ。もう刀は握れない。引退だ。やっぱ柱とは言え、俺はその程度だったんだ。カッコ悪いだろ？」
何か言ってあげたかった。心の中ではいくつも思い付いた。そんなことない、手が無くても、刀が握れなくても、貴方は自慢の父親だ。
だが、何かが詰まったようで声が出なかった。
その日、父上はそのまま部屋に籠ってしまった。
〜次の日〜
いつもと変わらない朝だった。だが、僕にはとても衝撃的な出来事が起きたのだ。
音「父上？朝ですよー」
音「っ!?」
父上が首を吊っていた。
音「父上！」
急いで父上の元に駆け寄ったが、息も脈もない。
音「そんな・・・そんな・・・うわぁぁぁぁ!!」
その日はとにかく泣いていた。誰かの声も聞こえないほど泣いていた。
次の日、煉獄家が家に来た。
相変わらず泣いていた僕に、杏寿郎は声をかけてくれた。
杏寿郎「大丈夫か？音？」
音「大丈夫な訳がない。父親が死んだんだ。」
冷たいことをを言った僕に、杏寿郎は優しくこう言ってくれた。
杏寿郎「俺が一緒に居よう！共に柱になると誓っただろう？此処で止まっては駄目だ。」
音「・・・うん！」
杏寿郎が僕を照らした様に、僕も誰かを照らしたい。そう思った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あおまゆ*@るりあ(プロフ) - 壱、弍の台詞、本編に出したいので、お借りします！ (2020年11月23日 20時) (
レス) id: 9201fca298 (このIDを非表示/違反報告)
いちごぱふぇ - あおまゆ*さん» ありがとう！楽しみにしてるよ！ (2020年8月23日 16時) (レス) id: 0c6ebfe2c4 (このIDを非表示/違反報告)
あおまゆ* - 良い感じだね！いま、こっちの本編は、螢とるりあの最終選別編だよ〜！喧嘩中だよ〜！まぁあとちょっとですとめんが出て来て、そっからるりあと、音と、煉獄さんの任務って感じかな！更新、お互いがんばろーね！楽しみにしてる！ (2020年8月22日 19時) (レス) id: 300f5d055d (このIDを非表示/違反報告)
竹輪*胡瓜 - いちごぱふぇさん» ありがとうございます！では出させていただきます！ (2020年8月15日 8時) (レス) id: af05283989 (このIDを非表示/違反報告)
いちごぱふぇ - 竹輪*胡瓜さん» 是非是非お願いします！光栄です！ (2020年8月14日 20時) (レス) id: 0c6ebfe2c4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
