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第五話/長篠一文字 ページ4

「長篠。話があるんだ。」

昼下がり。南泉と花札をしていた。
そんな時主に呼ばれた。
少し曇って来た。今日は雨になるかもしれない。
「ごめん南泉。後でね!」
「おー。」


主の自室へ向かう。
何故か胸騒ぎがする。
主の部屋には初期刀の加州が居た。
「それで、どうしたの?」
一番主との付き合いが長い加州が問う。
「遡行軍が居なくなったのは知ってるでしょ?」
それは以前聞いたので知っている。
「うん。」
「それでさ、…皆には刀剣に戻ってほしい。」


いつかはこんな事になると思っていた。
でも、いざ聞くとやっぱり悲しくて。
加州も驚きを隠せないようだ。


「そのうちこうなるって思ってたけどさ…」
加州は割り切ってる。
でも僕は。
「…どういう事!?」
「政府から通達が来たんだ。」
「主も、政府も無慈悲だね…っ!」
目の前が歪む。
「ちょっ、長篠…」
気づけば立ち上がっていた。
加州の静止も聞かずそのまま部屋を出て走り出す。


「どーしたんだよ長篠?」
そうだ、忘れてた。
南泉と花札やってるんだ。
「…ほっといてよ…!」
バケツをひっくり返したような雨が降って来た。
庭では歌仙や燭台切が慌てて洗濯物を回収している。
「何があったんだよ!」


南泉に問い詰められる。
「うっさいこの馬鹿っ!」
「はぁ!?んだとてめぇ!!」
「僕は…こんなの認めたくないんだよ!刀に戻る気なんてないんだよ!」
もう戻れない。
涙が、声が止まらない。
「…主にい…われ、たんっ…だ。政府が…っ、刀に戻る様にって、通達出したって…」
「おい、どういう事だ。話してくれよ。」
「…主に聞いてよ。」


また走りだす。
雨が降る中外へ向かった。
「っはぁ、はぁ、ぁ、う…」
バシャバシャと水が跳ねる。
「寒い…」
もしかしたらこれは長い悪夢かもしれない。
日が暮れるまで走ればきっと。


「あっ」
ぷつりと鼻緒が切れた。
気づけば上着も無くなっていた。
寒い。というか熱い。
頭が痛い。
くらくらする。

ぐらっ

そのまま倒れてしまった。

このまま眠れば朝になっていつもの朝になってるかもしれない。

そんな事を思いながら、僕は意識を手放した。


五話はどなたかにつなげて頂きたいと思います。
繋げたい方は長篠のホームページに繋げたい事と男士の名前を書いてください。
複数あった場合は最初の方、或いは現在関係がある方に書いて頂きたいと思います。

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赤黒 柚子見(プロフ) - セレーネーさん» 長くコメント残してしまったかもと思いましたのでパスワード記載のコメントは削除させて頂きました。もしまた知りたい場合はもう一度お願いします。 (2020年6月7日 14時) (レス) id: 06134be286 (このIDを非表示/違反報告)
セレーネー - パスワードは何ですか? (2020年5月24日 21時) (レス) id: 449f884b9a (このIDを非表示/違反報告)
セレーネー - 1回目の更新します! (2020年5月24日 19時) (レス) id: 449f884b9a (このIDを非表示/違反報告)
蒼の火(プロフ) - 3回目やります (2020年4月20日 17時) (レス) id: 330cc05ab0 (このIDを非表示/違反報告)
月夜(プロフ) - 次、2回目やります (2020年4月20日 16時) (レス) id: 3003a1c972 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:作者 x他4人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2020年3月8日 19時

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