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第三話/鬼神丸国重 ページ2

カラリと、中にいる男子に見えるように襖を大きく開ける
外には綺麗に桜が咲き誇っていた
ひらりと舞う花弁を手にして俺_鬼神丸国重(きじんまるくにしげ)は男子の方を見る
相手は俺の目線に気付いたのか、此方を見る
布で隠れているその顔は、微笑まれてるように見えた

「もう、この桜も見納めか…」

その呟きの直後、「景趣変えてよかった」と笑いながら告げていた
俺はまた外を見て「そうですね」と答える
桜は好きだった、なのにこの桜は何故か胸を締め付けられる
彼は我が本丸の主、そして此度任を終え主から身を引く方だ
その彼が行う“最後の執務”に付き合う、これは自分から申し出たとこだった
最初は主に「大丈夫」と言われたが、どうしても手伝いたかった

「こうやって、皆と話すことももう無くなるんだなぁ」
「…そうですね」

また、主の言葉を曖昧な声で返す
こんなこと、伝えられるわけが無い
この、最後を伝えればきっと主に懐いていた短刀も清光も、…とにかく皆が泣くだろう
なのに、主はスッキリとした態度だった

「少し休憩、国重も少し休んできな」
「…それでは」

主の言葉に礼をしてから外へ出る
廊下を歩く俺は部屋から遠ざかるにつれ涙を零し始めた
酷な方だ、俺がいつ…このようなことに動じないと判断されたのか…

_ねぇ、国重…皆にこのこと伝えるの、お前に任せるよ
_きっと、お前ならちゃんと告げてくれる
_お前ってこういうの、はっきりと割り切りそうだしな!!

手の甲で溢れ出る涙を拭う
しかし、拭えど涙はこぼれるばかりだった

「割り切れるはずがありません…
俺は、貴方のことが、人として好きだったのに…
情に厚い方なんですから…」

しかし、与えられた任を遂行しないのも可笑しい
俺は、仕方なしと其方を割り切り、広間に皆を呼ぶ為歩き出した

第四話/姫鶴一文字→←第一話/龍神切吉光



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赤黒 柚子見(プロフ) - セレーネーさん» 長くコメント残してしまったかもと思いましたのでパスワード記載のコメントは削除させて頂きました。もしまた知りたい場合はもう一度お願いします。 (2020年6月7日 14時) (レス) id: 06134be286 (このIDを非表示/違反報告)
セレーネー - パスワードは何ですか? (2020年5月24日 21時) (レス) id: 449f884b9a (このIDを非表示/違反報告)
セレーネー - 1回目の更新します! (2020年5月24日 19時) (レス) id: 449f884b9a (このIDを非表示/違反報告)
蒼の火(プロフ) - 3回目やります (2020年4月20日 17時) (レス) id: 330cc05ab0 (このIDを非表示/違反報告)
月夜(プロフ) - 次、2回目やります (2020年4月20日 16時) (レス) id: 3003a1c972 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:作者 x他4人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2020年3月8日 19時

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