・いつものやつら ページ5
着いたのは繁華街から少し外れたこじんまりとしたお食事処。
お昼はその名の通りお食事処だが、夜は居酒屋となって、サラリーマンのおじさんや、以外と若い人も訪れる万能な食堂だ。
慌てて来たせいで乱れた呼吸を整えて、古びた引き戸を開ける。
ガラガラ...
「お!うらさんや!」
「ほんまや、やっと来たな」
「遅いでうらたん、待ちくたびれたわ笑」
3人ともいる
...みんな揃ってる
「わりー、仕事が長引いて...」
疲れているのに、この3人に会うとどうしてもほころんでしまう顔を少し隠しながら、食堂のおばちゃんに「サーロインステーキ1つ、ニンニク増し増しね。」
と注文する。
席に座ると3人はもう食べ始めていた。
「またサーロインステーキかよ笑」
おばちゃん特性カレーを頬張るという社会人ではなかなか見ない所行をしているのは、坂田、
「ほんま、変わらんなあ」
はにかみながら、既に2杯目のお酒を飲んでいるのが志麻。俺なら1杯でアウトなのに。
「うらたんは学生の時からそれしか頼まんのやから」
魚の煮付けの定食を食べながら落ち着いたトーンで話すのがセンラ。
「別にいいだろ、好きなんだから」
俺ら4人は、学生時代からの友人だ。
そんな俺たちは、たまにこうやって居酒屋に集まることがある。
そんな時はだいたい、なんでもない話をすることが多い。
こうして今日もいつもの雑談会が始まった。
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「うわぁ、仕事でそんなことあったのかよ」
「そうなんだよ、もう大変大変」
ずっと話していると、夜も更けて来た頃だ。
そろそろお開きにしようとしていた時
「なあ、ちょっとええ?」
センラが少し真剣な顔をして言った
「どうしたんだ?センラ」
「今日、皆に言わないかんことがあるんや...」
悲しそうな顔をしながら伝えたセンラの言葉に、3人も大きく声をあげた。
「実はな...地方に転勤が決まってん。新人やからしかたないんやけど、結構遠いところで...なかなかこっち帰って来られんのや」
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センラにそんなことを打ち明けられた後、みんなは黙ってしまった。
センラは、「なんよーもう笑ずっと行くわけじゃないし、帰ってこようとしたらいつでも帰ってこられるんに」とか言ってたけど、それでも4人揃わなくなるのは誰にとっても辛かった。
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朝どれみかん(プロフ) - 夏姫さん» 返信遅れてしまい、申し訳ないです!元あさみの作者です!そうだったんですね!お友達の作品見つかるといいですね!応援ありがとうございます! (2021年2月14日 22時) (レス) id: d665285ce7 (このIDを非表示/違反報告)
夏姫(プロフ) - あさみさん» 把握です、わざわざありがとうございます!実は、今友達がひっそり作品書いてるって言ってまして、見つけてみようかなぁと思っているところでして…すみません。もちろんです、これからも応援させていただきます! (2021年2月2日 16時) (レス) id: 62745be506 (このIDを非表示/違反報告)
あさみ(プロフ) - 夏姫さん» すみません。あさみと書いていますが、作者の朝どれみかんです。 (2021年2月1日 22時) (レス) id: d665285ce7 (このIDを非表示/違反報告)
あさみ(プロフ) - 夏姫さん» ありがとうございます!人違いかどうかはよく分かりませんが、これからも楽しみにしていてもらえると嬉しいです。 (2021年2月1日 22時) (レス) id: d665285ce7 (このIDを非表示/違反報告)
夏姫(プロフ) - 好きです。…って言うのと、えっと、合ってる?もし人違いだったら本当にすみません。 (2021年2月1日 16時) (レス) id: 62745be506 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朝どれみかん | 作成日時:2020年12月19日 17時