私の妄想沖田総悟ふへへ (ページ3)

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沖田総悟が二人ページ3

私は今日、恋がどんなに残酷なものか知る

「あ、チャイナ」

私と歩いてる総悟が目を見開いて、いつもより優しい声でそう言った。

(ちゃいな？)

私が総悟の視線の先に目をやると、かわいらしいチャイナ服の女の子が立っていた。

「んぉ、くそサドアルね。そこ、道開けるヨロシ？」

(くそサドって何？総悟のこと？)

でも、なんだか胸がざわめいた。
だって

「どかねぇよ。通りたいならかわいくおねだりでもしてみなせェ」

総悟が優しい目をしてる。近藤さんとか、ミツバさんとかにしかしない、その目。嫌だった。気持ち悪い。なにその声。やだ。やめて。話さないで。その子を見ないで。
頭の中がぐちゃぐちゃになった。まっくろい絵の具で頭の中をぐるぐるぐるぐる書かれてるみたいに。
早く、早くここを離れたい。総悟とこの子を離れさせたい。
私だけ、

「……私だけ、見て、」

私の手は総悟の隊服を引っ張っていた。
私の口は勝手に動いていた。
私は今、総悟が好きなんだと気付いた。

総悟は少し驚いたような、腑抜けたような顔をして、すぐに口角を悪いように上げた。

「…なんでですかィ？」

そう言った総悟の目は透き通ったように見えて、嫌な濁り方をしていた。

「ｯ…！！！」

顔が赤くなるのが耳から伝わる。赤くなるとは、こんなにも冷たく感じるのだなと初めて知った。

(作戦成功、)

総悟は静かにどろどろとした感情を生み始めていた。