30、返事と気持ち ページ30
校舎の中を駆け回る。入学当時、こんな事になるなんて思って無かっただろうな…
大して広くない校舎内もこういう時に限って広く感じてしまう。
全然見つからないし…!
もう埒あかない!
……二人とも駆け回ってる…お互い探してるんだ…その場に留まる時間は短いし…
……飛雄なら、探し続けてくれる。
今は、そう信じれる。だから待とう。
そう思って止まっていたのは、飛雄の教室。朝、飛雄をフッた場所。
誰もいない教室は、朝と同様しん…としている。
…暗いなぁ……。
ガラッと窓を開ければ生暖かい風が入ってくる。
橙色の景色も見えなくなり、一面真っ暗。月と星だけが輝いていた。
影「暗いんだから、電気くらい付けろよ…」
貴「っ…飛雄……」
どれだけ必死に探してくれたのだろうか。首に汗かいてるし、若干息も乱れてる。
貴「…大事な、話があります 」
正面から、飛雄を見つめる。決して目は逸らさず、全てを受け入れる。誤魔化さない。
貴「…朝の、返事を聞かせてください」
影「嫌に決まってんだろ」
貴「…そんな簡単に、決めていいの?」
即答…だけど。
影「当たり前だろ。お前の為じゃねぇよ。
俺は、まだ凜が好きだから言ってんだ」
何気ない、その一言が私の心を軽くさせる。
飾らない言葉で、思ったことをそのまま言って、気持ちを伝えてくれた。
人の話を聞かなかったのは、飛雄じゃなくて、
私だった。
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とーか - ふつーに泣きました。谷地さんとお弁当食べてたりしてもう。ね?でも最終的に最高だったんでパーリーピーポーです。(?) (2020年3月26日 1時) (レス) id: 39b1cb9946 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - やっちゃんとお弁当食べてた理由がすごい気になりました!!切なく胸がぎゅっと掴まれるような感覚に何回も落ちました!幸せになれてよかったです! (2020年2月27日 17時) (レス) id: 05b337dbac (このIDを非表示/違反報告)
おっふ - こういうすれ違い系(?)好きィ!まさかの主人公むっちゃ愛されてたww (2019年12月23日 20時) (レス) id: f0059e6ce4 (このIDを非表示/違反報告)
モンブラン - 最高です。泣きました… (2019年8月24日 22時) (レス) id: 4e49721770 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸桜(プロフ) - ぱすた。さん» 見て下さりありがとうございます!誤解の件につきましては、下の方のコメント欄に理由を書かせていただきました!作中でそこを明かすのを忘れいて…コメント欄の方を見て頂けるとありがたいです。私の語彙力なくて、何コレ、と思ったらごめんなさい。 (2019年8月12日 22時) (レス) id: 3aa4f94975 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彼岸桜 | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2019年7月13日 23時