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第10話 ページ11

英智side



「……」



目が覚めると、

見慣れた保健室の天井が目に入った。


…僕はここまで、自力辿り着いていただろうか。


保健室に向かっていた、ということだけは覚えていたのだけれど。相変わらず、この弱々しい身体には腹が立つばかりだ。



昨日"憧れの彼"のビデオを見るために、慣れない夜更かしをこっそりしたのが祟ったのだろうか。



憧れの、理想の彼___影片A。



僕はすっかり彼の美しさに魅了されている自覚がある。


同じ学院にいながら、未だ学院で出会ったことは無いが、僕は彼と"偶然(運命)の出会い"をしたい。




僕はいつか出会う日を夢見ている、画面越しじゃない本物の彼に。まるでどこぞの乙女ようで、我ながら苦笑が零れるばかりだけれど。





*


少し軽くなった身体を起こすと、タイミング良く隔離の為のカーテンが開かれた




「お、起きたか。調子はどうだ?

家に連絡しようかと思ったけどお前に聞いてからにしようと思ってさ」



「いえ…連絡は結構です。ありがとうございます」



…無闇に家へ連絡なんてされたら、学校へ来ることさえ許してくれなくなりそうだもの。



「お前廊下で倒れてたんだって。どっか打ったりしてないか?」



「…いえ、特には」



「いやぁ、あいつ、お前よりはちっさいくせによく運んだと思うわ

今度会えたらお礼言っとけよ……っても、いつ会えるかは分からんだろうけどな」



…やはり、僕はここまで誰かに運んでもらったらしい。…こんな無様な姿を、僕は誰かに晒したのか。



それにしても、だ。


「いつ会えるか分からない、とは、どういう…」



「あぁ、あいつ教室に来てないんだよな〜、学校にはいるのに。ま、複雑な事情があるんだろうけど」


「…会える可能性があるとしたら?」



「あー…お前を部室の前で見つけたって言ってたし…手芸部の部室辺りじゃないか?

あいつの所属は手芸部だった気がする」



手芸部、と言えば。

五奇人の1人斎宮宗が所属していたはず。

…いや、彼なら僕のことは迷わず見捨てていただろうからきっと違う。


残りの手芸部員と言えば…



「…影片、」

……まさか。いや、そんなはずはない、憧れの"彼"が、彼と。運良く、なんてそんな。



あぁ、でももし、そうだとしたら。

僕はなんて幸福なのだろう。




「今度、手芸部に行ってみますね」




僕はまさか、これが自分の渇望していた運命だったなんて、思いもしなかった。

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英智君尊いよぉぉぉぉ(((殴 - 待ってます!!! (2017年6月8日 7時) (レス) id: 2f00a5668f (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 英智君尊いよぉぉぉぉ(((殴 さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!目処が立ちしだい載せさせていただきますので、お待ちください,,,! (2017年6月7日 21時) (レス) id: f51b0c6802 (このIDを非表示/違反報告)
英智君尊いよぉぉぉぉ(((殴 - また新しく小説を作るなら余ったページでお知らせをしてください!すぐに見に行きます!!! (2017年6月6日 23時) (レス) id: 2f00a5668f (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 英智君尊いよぉぉぉぉ(((殴さん» ご指摘ありがとうございます…!直してきました、本当に有難いです。すみませんでした (2017年5月30日 20時) (レス) id: f51b0c6802 (このIDを非表示/違反報告)
英智君尊いよぉぉぉぉ(((殴 - 18話の零さんの台詞の「妙なことは言わないことを願うけどよ」が「妙なことは言わないとことを願うけどよ」なってますよ〜! (2017年5月30日 20時) (レス) id: 2f00a5668f (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2017年5月25日 19時

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