夢の足跡 17 (ページ34)

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色んな表情をしてくれるA。

淡さに惹き込まれたり、力強さに圧倒されたり、笑顔に心を掴まれたり…

全力でアイドルしてる。

心から、アイドルを楽しんでる。

ファーストインスピレーションで感じた、Aのアイドル適正。

それは決して、錯覚でも憶測でもなかった。

今ここにいてくれて、本当に良かった。

『たかみなのおかげだよ、Aが潰れなかったのは』

高橋「ちょっとでも助けになれてたならいいな」

『優子が卒業した時はさ、すごい不安そうで。

最初大丈夫かなって心配してたんだけど。

でも、たかみなが大切なこと教えてくれて。

真正面から向き合って、信頼関係を作ってくれたから。

Aは、良い意味で変われたんだと思う』

高橋「まだ、ちょっと心配ではあるけど。

けど、卒業発表した時よりは安心してるかな。

今のAなら、ちゃんと周りの人を頼れそう。

自分らしいアイドルになれそうな気がする」

『もう少しだね、Aが自分を認めてあげられるまで』

高橋「きっと、テストに合格したら…

私も出来たって、認めてあげられるんじゃないかな。

きっと今まで、お母さんがこうしなさいって言ったことをやって。

これはダメって言ったことは避けて来たんだと思うから。

A自身が、これをやりたい、そのためにこうするから見ててって言った。

そのために1人で努力して、もしその目標を達成出来たら…

その成功体験は、Aの心を支えてくれると思うんすよね」

『あと、素の自分を見せるって言う…

なんて言うか、弱みを見せる強さ？

みたいなのを身に着けたら、もう無敵だね。

弱い部分は隠しておかないとダメ、人に見られる仕事だからって思ってるからさ。

自分は恵まれてる立場にいるから、弱気なとこ見せちゃダメ。

そしたら嫌われる、不快にさせるって、多分刷り込まれてるんだよね。

だから、その部分を大丈夫だよって、優しく言ってくれる人がいたらなって思うよ』

高橋「そこはじゃあ、小嶋さんと指原に頼みますわ笑」

『あの2人ならやってくれそう』

高橋「多分、A自身も気づいてるから。

あとは、1歩踏み出すきっかけと勇気が必要かな」

『…そうだね』

あと、ほんのちょっと。

持てるポテンシャルの限界を超えようとしている。

その限界値を超えたら、彼女はグループ諸共最強になれるだろう。

案外、その日は近いかもしれない。

ステージに立つ姿を見てたら、そう思わずにはいられない。