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「───〜〜〜っ、いてえ……くそ……頭がズキズキする……どうなってんだ?」
「フレッド!」
止血をして数分が経ったとき、フレッドがようやく目を覚ました。Aは近くの壁から敵がいないかどうか確認していたが、フレッドの声が聞こえるとそちらを振り向き、フレッドの前にしゃがみこんで、起き上がったフレッドの体を抱きしめた。
「よ、良かった、フレッド、良かった!」
「A、今、状況はどうなってる?パースはどうした?ロンたちは?」
「みんなまた戦いに行った。フレッドが気を失っていたから、私がここで応急処置してたんだ!」
Aが言った。フレッドはズキズキ痛む額に指先で触れながら、納得したような顔をして、今度はAの頭から流れている血に目を向けた。
「A───俺より、自分の止血を優先するべきだ!」
フレッドはAの顔の血を拭いながら慌てて言った。その時、すぐそばで、甲高い冷たい声がした。ヴォルデモートの声だ。壁から、そして床から響いてくる。ホグワーツと周囲一帯の地域に向かって話している──ホグズミードの住人やまだ城で戦っている全員が、ヴォルデモートの息を首筋に感じ、死の一撃を受けそうなほど近くに「あの人」が立っているかのように、はっきりとその声を聞いているのだ。
「おまえたちは戦った」
甲高い冷たい声が言った。
「勇敢に。ヴォルデモート卿は勇敢さを讃えることを知っている。しかし、おまえたちは数多くの死傷者を出した。俺様にまだ抵抗を続けるなら、一人また一人と、全員が死ぬことになる。そのようなことは望まぬ。魔法族の血が一滴でも流されるのは、損失であり浪費だ」
「ヴォルデモート卿は慈悲深い。俺様は、我が勢力を即時撤退するように命ずる。一時間やろう。死者を尊厳を以って弔え。傷ついた者の手当てをするのだ」
「さて、ハリー・ポッター、俺様はいま、直接おまえに話す。おまえは俺様に立ち向かうどころか、友人たちがおまえのために死ぬことを許した。俺様はこれから一時間、『禁じられた森』で待つ。もし、一時間の後におまえが俺様の許に来なかったならば、降参して出てこなかったならば、戦いを再開する。そのときは、俺様自身が戦闘に加わるぞ、ハリー・ポッター。そしておまえを見つけ出し、おまえを俺様から隠そうとしたやつは、男も女も子どもも、最後の一人まで罰してくれよう。
──一時間だ」
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ササミ - 素敵な作品をありがとうございます。この作品を楽しみに過ごしておりました😊キャラへの解像度が高く、この世界が存在すると錯覚するほど引き込まれました!難しい事は承知ではありますがr18の公開も心待ちにしております🙇♀️ (4月30日 23時) (レス) id: d357fa134f (このIDを非表示/違反報告)
名無し18156号(プロフ) - すごくすごく面白かったです!!このお話が日々の生き甲斐でした😭😭本当に素晴らしい作品をありがとうございます!! (2月16日 23時) (レス) @page50 id: 83faa383a3 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ - 初めて感想書きます!本当に面白かったです😭原作にリスペクトを感じるし後半なんてローリング先生が書いてる?!と思うくらいでした。R 18めちゃ楽しみにしてます!笑 (2月7日 22時) (レス) id: 0dcec4387c (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - urakr396さん» ありがとうございます!アワーッ過去作から……嬉しいです………ありがとうございます😭😭🙏更新頻度は年々落ちてしまっているのですが、頑張ります…🎶 (1月29日 7時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - Konono19さん» ありがとうございます…!!R18のほうはなかなか公開できずにいるのですが、たぶん…そのうち…!!!!😭こちらこそ、長いのに見てくださってありがとうございます🙏🙏 (1月29日 7時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鵲 | 作成日時:2023年6月7日 23時