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「あれは──おそらく──『悪霊の火』だった」
Aはまだ喘ぎながら言った。それを聞いて、ハーマイオニーも大きくうなずき、続けた。
「『悪霊の火』──呪われた火よ──分霊箱を破壊する物質の一つなの。でも私なら絶対にそれを使わなかったわ。危険すぎるもの。クラッブは、いったいどうやってそんな術を――?」
「カロー兄妹から習ったに違いない」
Aが言った。
「やつらが止め方を教えたときに、クラッブがよく聞いていなかったのは残念だぜ。まったく」
ロンが言った。 ロンの髪は、ハーマイオニーの髪と同じく焦げて、顔は煤けていた。
「クラッブのやつが僕たちを皆殺しにしようとしてなけりゃ、死んじゃったのはかわいそうだけどさ」
「でも、気がついてるかしら?」
ハーマイオニーが囁くように言った。
「つまり、あとはあの大蛇を片付ければ――」
しかし、ハーマイオニーは言葉を切った。叫び声や悲鳴が聞こえ、まぎれもない戦いの物音が廊下一杯に聞こえはじめたからだ。周りを見回して、Aたちははどきりとした。死喰い人がホグワーツに侵入していた。仮面とフードを被った男たちと、それぞれ一騎打ちしているフレッドとパーシーの後ろ姿が見える。
五人は加勢に走った。閃光があらゆる方向に飛び交い、パーシーの一騎打ちの相手が急いで飛び退いた。とたんにフードが滑り落ちて、飛び出した額とすだれ状の髪が見えた――。
「やあ、大臣!」
パーシーがまっすぐシックネスに向けて、見事な呪いを放った。シックネスは杖を取り落とし、ひどく気持が悪そうにローブの前をかきむしった。
「辞職すると申し上げましたかね?」
「パース、ご冗談を!」
自分の一騎打ちの相手が、三方向からの「失神の呪文」を受けて倒れたところで、フレッドが叫んだ。シックネスは、体中から小さな棘を生やして床に倒れた。どうやらウニのようなものに変身していく様子だった。
「フレッド!」
Aがフレッドに駆け寄ると、フレッドはAのすすだらけになった顔を見て、少し眉を寄せた。
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ササミ - 素敵な作品をありがとうございます。この作品を楽しみに過ごしておりました😊キャラへの解像度が高く、この世界が存在すると錯覚するほど引き込まれました!難しい事は承知ではありますがr18の公開も心待ちにしております🙇♀️ (4月30日 23時) (レス) id: d357fa134f (このIDを非表示/違反報告)
名無し18156号(プロフ) - すごくすごく面白かったです!!このお話が日々の生き甲斐でした😭😭本当に素晴らしい作品をありがとうございます!! (2月16日 23時) (レス) @page50 id: 83faa383a3 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ - 初めて感想書きます!本当に面白かったです😭原作にリスペクトを感じるし後半なんてローリング先生が書いてる?!と思うくらいでした。R 18めちゃ楽しみにしてます!笑 (2月7日 22時) (レス) id: 0dcec4387c (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - urakr396さん» ありがとうございます!アワーッ過去作から……嬉しいです………ありがとうございます😭😭🙏更新頻度は年々落ちてしまっているのですが、頑張ります…🎶 (1月29日 7時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - Konono19さん» ありがとうございます…!!R18のほうはなかなか公開できずにいるのですが、たぶん…そのうち…!!!!😭こちらこそ、長いのに見てくださってありがとうございます🙏🙏 (1月29日 7時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鵲 | 作成日時:2023年6月7日 23時