509 ページ9
、
代表選手がそれぞれのパートナーとともに審査員のテーブルまで来ると、パーシーは自分の隣の椅子を引いて、ハリーに目配せしていた。ハリーはその意味を悟ったらしく、パーシーの隣に座った。ジョージはパーシーを見るとニヤッとし、パーシーの反対隣に滑るように腰掛けた。
「やあパーシー」
パーシーは怪訝そうに眉をひそめた。しかし、真新しい濃紺のパーティローブを着て、鼻高々の様子だった。
「昇進したんだ」
聞く間も与えず、パーシーが言った。その声の調子は、「宇宙の最高統治者」に選ばれたとでも発表したかのようだった。
「クラウチ氏個人の補佐官だ。僕は、クラウチ氏の代理でここにいるんですよ」
「あの人、どうして来ないの？」
ハリーが聞いた。
「クラウチ氏は、残念ながら体調がよくない。まったくよくない。ワールドカップ以来ずっと調子がおかしい。それも当然――働きすぎだね。もう若くはない――もちろん、まだ冴えているし、昔と変わらないすばらしい頭脳だ。しかし、ワールドカップは魔法省全体にとっての一大不祥事だったし、クラウチ氏個人も、あのブリンキーとか何とかいう屋敷しもべの不始末で、大きなショックを受けられた。当然、クラウチ氏はそのあとすぐ、しもべを解雇した。しかし――まあ、なんだね、クラウチ氏は歳を取ってきてるわけだし、世話をする人が必要だ。しもべがいなくなってから、家の中は確実に快適ではなくなったと、クラウチ氏も気づいただろうね。それに、この対抗試合の準備はあるし、ワールドカップのあとのゴタゴタの始末をつけないといけなかったし――あのスキーターっていう嫌な女がうるさく嗅ぎ回ってるし――ああ、お気の毒に。クラウチ氏はいま、静かにクリスマスを過ごしていらっしゃる。当然の権利だよ。自分の代理を務める信頼できる者がいることをご存知なのが、僕としてはうれしいね」
ハリーは、クラウチ氏がパーシーを「ウェーザビー」と呼ばなくなったかどうか聞いてみたくてたまらなかったが、何とか思いとどまった。
しかしジョージはそうではなかった。
「それで、クラウチは君をウェーザビーと呼ばなくなったのかい？」とウキウキで聞く弟に、パーシーがまた顔をしかめた。しかし、パーティーの席なので、怒鳴りたい衝動をぐっとこらえているようだった。
、
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 783人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鵲(プロフ) - 豆腐さん» ありがとうございますー！！書いてみますー✊🏻✊🏻💗 (2022年2月17日 2時) (
レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
豆腐 - いつも素敵な小説ありがとうございます😭👏🏻フレッドとジョージが若返ったら次は夢主ちゃんが一気に幼くなるのも見てみたいです😖😖お願いします！ (2022年2月16日 22時) (レス) @page50 id: 4fe3c9c074 (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - 犬好きさん» ありがとうございます…🥺💕これから解き明かしていくのでよろしくお願いします！🥰🥰🥰 (2022年2月6日 20時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
犬好き(プロフ) - お手紙開封怖すぎて震えてたら思ったより…って感じでさらに怖いです…、心臓が震えています…それはそうと、主人公ちゃんが可愛くてしゃーないです、最高！ (2022年2月6日 6時) (レス) @page20 id: a9e49597a8 (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - 豆腐さん» ありがとうございます〜！！！😭😭🙏💕更新頑張ります！！！ (2022年2月6日 2時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鵲
| 作成日時：2022年2月1日 0時
