寂寞のアイソレーション３ (ページ24)

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「だめじゃないか！そういうのは早く言わなきゃ！」

「え？」

「Aがもうすぐ誕生日なんて、俺達知らなかったぞ！」

フレッドとジョージが憤慨したので、Aはぽかんと口を開けた。

「う、うん……ごめんな」

「A、何かほしいものとかあるか？」

Aは二人を見回したあと、少し照れくさそうに笑った。

「何もいらないよ」

「え？」

二人がぽかんとするのを見ながらAは続けた。

「二人と一緒にクリスマスが過ごせたら、それだけですごく幸せだ」

「今までクリスマスの日は家から出してもらったことがないから、家族や偉い貴族の人以外に祝われたことがないんだ」とAが言うと、二人はAを見つめ、それからたまらなくなったというようにAを抱き締めた。

「わっ」

「うん、うんA、今年のクリスマスは一緒に過ごそうな……」

「色んなことして遊ぼう。ホグワーツのクリスマスは、きっとAもすごく楽しいぞ」

二人の言葉にAは「うん」と笑って頷いた。クリスマスが今から待ち遠しくなった。

──────

それから一週間後、玄関ホールの掲示板の前にちょっとした人集りができていて、貼り出されたばかりの羊皮紙を読んでいた。Aもそれを読んだ。近くで誰かが呟くのが聞こえる。

「『決闘クラブ』を始めるんだって！今夜が第一回目だ。決闘の練習なら悪くないな。近々役に立つかも……」

その晩八時に、Aはフレッドやジョージ、リーとともに大広間へ向かった。食事用の長いテーブルは取り払われ、一方の壁に沿って、金色の舞台が出現していた。何千本もの蝋燭が宙を漂い、舞台を照らしている。

天井は何度も見慣れたビロードのような黒で、その下には、おのおの杖を持ち、興奮した面持ちで、ほとんど学校中の生徒が集まっているようだった。

「いったい誰が教えるのかしら？」

ペチャクチャとおしゃべりな生徒たちの群れの中に割り込んでいたハーマイオニーが呟くのが聞こえてきた。

「誰かが言ってたけど、フリットウィック先生って、若い時、決闘チャンピオンだったんですって。たぶん彼だわ」

「誰だっていいよ。あいつでなければ……」

とハリーが言いかけたが、そのあとは呻き声だった。ギルデロイ・ロックハートが舞台に登場した。

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