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「わ──わーーっ！！すごい！！」
車の窓から顔を出して、Aは故郷を眺めていた。夏の夜風が頬を撫で、Aの黒髪を揺らした。月明かりに照らされたAの黒髪は、キラキラと金色の光を帯びた。
「私、外に出してもらったことないんだ──部屋の窓からしか、街の景色を見たことなかったんだ。こんなに広くて綺麗だったなんて、知らなかった！」
「来て大正解だったな」
運転しながらフレッドが笑った。ジョージはAがあまりに窓から身を乗り出すので、体を支えてやりながら一緒に窓の外を眺めていた。
「ここは良い町だな。自然豊かで、空気がおいしい」
「うん、オリーが言ってたんだけど、この町は花も川も全部綺麗だし、町の人はみんな優しくて、親戚みたいだって──…………言ってた……」
Aは自分から言っておいて、そういう自然や人との関わりに触れられない自分に寂しさを感じたのか、肩を落とした。それを見たジョージはAの頭を撫でた。
「あの後は大丈夫だったか？地下牢がどうたらって言ってただろ？」
「あ………う、うん」
Aはしょぼんとしながら頷いた。
「二日閉じ込められた。その後出してもらったけど、それからは純血についての──これくらい分厚い本を、何冊も読まされた」
手で本の分厚さを表しながらAが言った。
「でも、やることがなかったから、すぐ終わったよ。一日中、家の庭で読んでたんだ。オリーが……今までは、私が外に出られないから、オリーが庭に来てくれて、それで話してたんだけど……だから、オリーが来てくれるかなって思って、庭にいたんだけど……やっぱり、だめだった」
Aは席に座り直し、今度はおとなしく窓の外を眺めながら言った。
「課題も終わっちゃったんだ。だからずっと退屈してた……でも、二人の手紙はすごく嬉しかった！それだけが楽しみだったんだ」
Aは二人に目を向けてにっこり笑った。フレッドはバックミラー越しにAを見たあと、窓の外から下を眺め、誰もいないことを確認してから地上に着地した。
「フレッド？どうしたんだ？」
「ん、ちょっとな」
フレッドは運転席から後ろの後部座席に移動すると、Aの手をぐいっと引いて思い切り抱きしめた。
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鵲(プロフ) - 貴戸藍樂_きど あいらくさん» ありがとうございます〜！！エヘ…可愛く書けてたらよかったです❤❤これからも応援よろしくお願いしますーー！！ (2021年10月9日 20時) (
レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
貴戸藍樂_きど あいらく(プロフ) - 続編おめでとうございます！！撫でられた時の感覚が違うって...かわいすぎやしませんか()可愛らしい絡みの中にある厳しいお母さんもまた最高です...！更新お疲れ様です！ (2021年10月9日 19時) (レス) id: 1c72b51fe6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鵲
| 作成日時：2021年10月9日 18時
