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「それを食べたら部屋に戻ってこれを読みなさい」
二日後、地下牢から出されたAは出された朝食をちまちまと食べていた。テーブルの上にどっさり置かれた分厚い本の山に目をやったAはただ「はい」と返事をした。本の題名にはどれも「純血」という言葉が添えられている。
Aは本を抱えて部屋に戻り、机の上に本を置いた。その時何かが机の上から落ちて、床でパサッと音を立てた。それを拾い上げたAはベッドに腰掛けながら差出人を見て、ハッとして目を輝かせた。フレッドとジョージからだった。
Aへ
あの時何もできなくてごめんな。まさか、Aの母さんがあそこまで酷かったとは思ってなかったよ。
俺達と関わったら、Aは却って危険になるかもしれない──でも、俺達は何も言わない。
Aを突き放したりしない。
もしもAが、俺達と関わるのをやめてほしいって言うならやめるよ。でも、何も言わないなら今まで通りにする、それだけだ。
何もできないのが悔しいよ。力になれなくてごめんな。また新学期に会おう。難しいようだったら無理に返事を書かなくていいぞ！
フレッドとジョージ
「…………」
Aは手紙を胸に抱きながらぼんやりした。二人は本当に優しくて素晴らしい人たちだ。
「私が普通の子どもだったら良かったのに」
Aがぽつりと呟いた。手紙を届けてもらうために部屋で飼っているふくろうが鳴いた。Aはそちらを見たあとで机に向かい、引き出しから便箋を取り出して二人宛に手紙を書いた。
「痛っ──……噛まないでくれ。いい子だから──これを届けてくれ──くれぐれも、渡すときに受け取った人の指を噛むんじゃないぞ──」
Aの指に噛み付くアフリカオオコノハズクをなだめながら、Aは手紙を咥えさせた。ふくろうはもう一度鳴いたあと、バサバサと窓の外から飛び去って行った。
Aはそれを見届けたあとで、机に向かい、母が渡した分厚い本の一つを手に取り、ぼーっと読み始めた。
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鵲(プロフ) - 貴戸藍樂_きど あいらくさん» ありがとうございます〜！！エヘ…可愛く書けてたらよかったです❤❤これからも応援よろしくお願いしますーー！！ (2021年10月9日 20時) (
レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
貴戸藍樂_きど あいらく(プロフ) - 続編おめでとうございます！！撫でられた時の感覚が違うって...かわいすぎやしませんか()可愛らしい絡みの中にある厳しいお母さんもまた最高です...！更新お疲れ様です！ (2021年10月9日 19時) (レス) id: 1c72b51fe6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鵲
| 作成日時：2021年10月9日 18時
