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「これ、落としたよ」
翌朝、大広間へ向かう途中で前を歩いていた女の子に声をかけたAは、彼女が落とした黒い日記帳のようなものを拾って手渡した。
女の子は振り向くと、Aを見つめて眉をひそめた。赤毛にそばかす……Aは彼女を見たことがあった。
「あ……フレッドとジョージの……」
「ありがとう」
ジニーはAから急いで本を受け取った。その表情はどこかぎこちなく、Aに恐怖を抱いているようにも見える。
Aはなぜジニーがそんな顔をしたのか、なんとなく分かった。夏休み前、駅で起こったあの出来事が原因だ。初対面の人間から家族と自分を「血を裏切る者」だと罵倒されれば、誰だってそうなるだろう。
ジニーがばたばたと慌てて逃げるように去っていくのを見ながら、Aは肩を落とした。
「おはよう、A」
その時後ろから声がかかり、Aは振り向いた。フレッドとジョージだ。
「おはよう」
「さっきジニーと話してたな」
フレッドの言葉にAは「うん……」と苦笑しながら頷いた。それを察したジョージが言った。
「ごめんな、A。誤解を解こうと俺たちも色々言ったんだけどさ……ジニーは普段のAをまだ知らないから」
「謝らないでくれ。二人は悪くないんだから」
それを聞いたジョージは、Aの頭をワシャワシャ撫でた。
「Aは本当に優しいな」
「それは二人の方だ」
Aは二人を見上げながらにっこりして、それからまた大広間に向けて歩き始めた。
「きゃっ」
「わ、だ、大丈夫か？」
廊下を歩いていると、今度は走ってきた女子生徒の一人とぶつかり、Aは彼女の体を支えながらあわてた。
「あ………ありがとう」
女子生徒はぽっと顔を赤らめるとあたふたしながら去っていった。それを眺めたフレッドとジョージは、ほーと感心したように唸った。
「Aはそこらの男より断然紳士だな」
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鵲(プロフ) - 貴戸藍樂_きど あいらくさん» ありがとうございます〜！！エヘ…可愛く書けてたらよかったです❤❤これからも応援よろしくお願いしますーー！！ (2021年10月9日 20時) (
レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
貴戸藍樂_きど あいらく(プロフ) - 続編おめでとうございます！！撫でられた時の感覚が違うって...かわいすぎやしませんか()可愛らしい絡みの中にある厳しいお母さんもまた最高です...！更新お疲れ様です！ (2021年10月9日 19時) (レス) id: 1c72b51fe6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鵲
| 作成日時：2021年10月9日 18時
