Epilogue 2 ページ50
「…まぁ、そんな感じだけド…」
結局口を割らされあること全て吐き出すことになった。
初めて会った時のことや、彼女のどこが好きなのか。お互いになんて呼んでいるか…って、冷静に考えてコレを聞いてなんの意味があるんだろうか。
ボクの話を聞きながらも、にいさんたちの反応は様々だ。
奏汰にいさんは終始ニコニコだし、宗にいさんは所々で涙を流す。渉にいさんと零にいさんは度々頬を赤らめて、キャーキャーと騒ぎ……イヤ、女子高生かなにかか？
あまりにもバラバラなにいさんたちの反応に若干戸惑いつつも、彼らが心の底からボクらのことを応援していてくれていた事実につい口元が緩んでしまう。
自分事であるのに、こうも純粋に喜んでもらえると、怒るに怒れないのだ。
…そんなボクを知ってか知らずか、奏汰にいさんは不意に、にんまりと悪戯っ子の笑みを浮かべだす。
「…なっちゃん、いちねんせいのときからあの子に "ぞっこん" でしたもんね〜」
「んなっ」
「懐かしいのぅ…綺麗な女の子に助けてもらった〜って嬉しそうに話しに来て…」
「ちょ…っ」
「あの子に認識して貰える魔法を教えテ！…なんて嬉々として私に聞きに来て…」
「ッ…ソレは昔の話で…！！」
「あの頃は今より素直で可愛げがあったんだがね？」
「…宗にいさんまで…」
知らぬ間に囲まれていたらしく、四方八方からわしゃわしゃと頭を撫でられる。
髪がぐしゃぐしゃになると叫んでも、にいさんたちは「照れちゃって〜」なんて笑って総スルーだ。…ぐぐぐ…
「…よかったですね、夏目くん」
「え」
ふと、渉にいさんの手が止まって、それに合わせるように、にいさんたち全員の手が止まる。
ゆっくりと渉にいさんの顔を見てみれば、彼は今まで見たことがないような優しい笑みを浮かべていた。
「…ウン」
小さく頷けば「青春ですねぇ…☆」なんて言ってまた頭を乱雑に撫で始めるから、隙を突いて輪から抜け出し、鞄を持って扉を開いた。
「わ！」
ぽすん
お腹のあたりにボクよりも小さな影が飛びこんで、気付けばソレを抱きしめる形になってしまう。
腕の隙間から見える赤い耳に、何となく、それが何なのか察してしまって。
「あらら〜…なっちゃんったら "だいたん" ですね〜…」
「若いっていいのぅ〜…羨ましいぞい…！」
「…まぁ、他所でやって欲しいがね…」
「…フフフ…☆
夏目くんもAさんも、顔がまっかっかですよ？」
「〜〜〜〜ッ！！！」
笑 う な !
終わり
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かなかなかな… - ありきたりな言い方になってしまいますが、ものすごく感動しました。所々泣きそうになってしまったり、最後はものすごくニヤニヤしたり。読んでいてとても楽しかったです。素敵な作品をありがとうございました！！ (2022年3月29日 19時) (
レス) id: 62f4ed090e (このIDを非表示/違反報告)
みる - 最後のタイトル回収がほんとうにすごかったです！めちゃくちゃ楽しませていただきました！！ (2021年9月21日 17時) (レス) @page50 id: 8126ce0406 (このIDを非表示/違反報告)
繕*(プロフ) - ふわり｡さん» コメント・ここまでお付き合い下さり有難う御座います。こちらこそ、これからもお付き合い頂ければ嬉しく思います笑 (2019年8月23日 14時) (レス) id: 019269e21e (このIDを非表示/違反報告)
繕*(プロフ) - 哀霞さん» コメント有難う御座います。そう言って頂けて幸いです…励みになります。次回作の方も宜しくお願い致します笑 (2019年8月23日 14時) (レス) id: 019269e21e (このIDを非表示/違反報告)
ふわり｡ - 完結おめでとうございます！雰囲気も素敵でエピローグまで一気に読んじゃいました（笑）これからもファイトです！ (2019年8月21日 17時) (レス) id: 9c497f6a6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：繕 | 作成日時：2019年7月31日 11時
