鬼の呪術師の少女(弐)

81話 ページ32

その頃、飛ばされてしまったAは木の下敷きになっていた


「………」



ボーとしながら空を向いて
遠くから音が聞こえて来るのを感じる

鼻をヒクヒクと動かしながら匂うと
血の香りがしてきた




この匂い……血だ…
それも伏黒お兄ちゃんの…



伏黒が東堂に怪我をさせられていることを察知したAは腕に力を入れ”全集中の呼吸”でする


すると木が動いていき脱出することができた
起き上がって異常がないか体を動かし確認する





痛くない、骨折れてない…




そう確認し終えた後にAは深呼吸し
目を鬼の瞳に変えて呟いた




「……ちょっと痛めつける」ｺﾞｫｫｫｫ





────────────────────

──────────

────


ちなみに伏黒は駆けつけてきたパンダと狗巻が
間に入り東堂を止めてくれたのだった

パンダは早く帰れと言われたが
東堂は言われなくともといい帰ろうとしていた


そしてパンダに向けて海外留学をしている
2年の乙骨憂太に伝言を頼んだ





東堂「乙骨に伝えてとけ
『オマエも出ろ』と」


パンダ「(面倒くせ……)オレ、パンダ
ニンゲンノ コトバ ワカラナイ」


狗巻「……」




めんどくさいと思ったパンダは
わざとらしく言い狗巻はそんなパンダの様子に
視線を送り東堂は帰ろうとした時だった




全員「「っ!?」」




東堂の前に吹き飛ばされてしまったAが現れ
凄まじい呪力が溢れている


このままでは殺してしまう!
そう思った狗巻は呪言をAに向けて放った




狗巻「《転べ!》」




すると見事に東堂の前で転んで行き手すりに
ぶつかったのであった




「……ﾑｯ───!」




逆さまの状態で東堂たちを見つめているAは転んで殴れなかったことにムクれていたのを見た東堂は愛らしさに駆け寄った



東堂「おぉマイ･ハニー!」




Aが起き上がって
東堂がAを触れようとした瞬間だった

Aは東堂の腕を掴んだまま持ち上げ背負い投げのように東堂を崖へ落としたのであった





東堂「え、……あーーーー!!」





落ちていく東堂に放ってAは邪魔をされた
パンダたちにフンっと怒っている様子





男子全員「「(怖ぇ…)」」





一方パンダたちはあの大柄な東堂を持ち上げた姿を見て驚きを隠せなかったようだった








※ちなみに言うと東堂は
無事に綺麗な体制で着地をし怪我はなく

無事にアイドルである高田ちゃんの握手会に
参加することが出来たのであった

82話→←80話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す