26、種明かし ページ27
次の日、秀明苦手行くと、伝言板にメッセージがあった。
「メンバーは、授業終了後、特別クラスに集合のこと。 黒木」
何を掴んだのか、楽しみだなぁ。
まぁ、黒木が裕樹さんを連れて何をやったのかは、だいたい予想はついているんだけどね。
授業を終え、特別クラスに入る。
もう、当たり前みたいになってるんだけど、上杉と小塚も一緒に。
すぐあとに、黒木と若武も来てそれぞれ定位置についた。
「アーヤが来たぜ」
若武は、黒木の方を振り向く。
「始めろよ、黒木」
黒木は、バッグの中から小さな黒い箱を取り出す。
それを机の上に置きながら言った。
「じゃ、みんな、そばによってくれ」
みんなが、イスを引っ張って集まる。
「これ、なんだと思う?」
黒木は、指をさしながら言う。
若武は、興味深そうに取り上げてひっくり返す。
「なんだろ……」
この正体が分かった私は、黒木に言った。
「黒木、お前よくこれやったな」
黒木は、ふっと笑うと、静かに口を開いた。
「電話の盗聴器だ。昨日、犯人の家の保安器に取り付けた」
「やるねぇ」
みんなは、おどろいて顔を見合わせてた。
「なにか、新しい証拠が手に入らないかと思って、とりあえず電話を盗聴してみることにしたんだ」
良いことではないですけどね。
若武は、生き生きしてて元気が良かった。
「すげぇ。おれ、どこで手に入れたの?お前の友達の中には、FBIもいるのか」
黒木は、ちょっと笑った。
「通信販売で買えるんだ。よくマニアの雑誌なんかに広告がでる。手に入れたのは、友達からだけどね。一戸建ては、電話の保安器が家の外についているから、この手が使えると思ったんだ。はじめにNTTを装って電話をかけて、ご近所から電話に雑音が入るという苦情がありましたので調べますって言えば、それでだいたい通るから」
小学生じゃないね、やってる事が。
下手したら、裕樹さんとかみんなの名誉に関わってくるんじゃないのかな。
……黒木だから、どうにか出来んのか。
「で、仕掛けてから家に戻って、盗難内容をレコーダーに吹き込んだんだけれど、それが、これ」
黒木は、今度はレコーダーを取り出して、机の上に置いた。
「ま、聞いてくれ。驚くなよ」
黒木にそう言われたけど、内容を聞けば聞くほど、驚くべきことがたくさん出てきた。
…これは、相当やばいやつだな。
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作者名:つばくらめ | 作成日時:2019年4月22日 20時