二人きり ページ16
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車を動かし始めたら、余計な事は考えずにいられた。
車の流れも、止まる信号もいつも通り。
若葉モールへも15分もかからず到着した。
駐車場に止めたところで、大野さんが「ありがと」って言ってにこっと笑った。
「やっぱ車だと早いね！寒くないし、超快適」
「…………」
大野さんは車から降りても私にぴったりとくっついて来るから、全然急ぐ必要なんてないのに早歩きになる。
「ねえ、サンタのおねーさん。
帰りは何時？一緒に帰ろうよ」
「なんで！」
びっくりして大野さんを見たら、あはっと眉を下げて笑われた。
「同じ家に帰るんだしいいじゃん。
ね、何時？」
「同じ家じゃないですから！変な言い方やめて！
あと、サンタのおねーさんって呼ぶのもやめてください！」
大野さんは斜めに俯いて、楽しそうに笑いをかみ殺すようにしている。
絶対にからかわれている。
私の反応が面白くてたまんないって感じがして悔しい。
ふふっと漏れる息に、集中力を奪われる。
その色気から逃げるように店内の入り口のエレベーターのボタンを連打する。
大野さんと話しているとペースが乱される。
「だってサンタのおねーさんの名前知らないもん。
教えてくれる？」
「…………嫌です」
「じゃあずーーっとサンタのおねーさんって呼ぶ」
大野さんは、むっと唇を尖らせて私に挑発的な視線を向けた。
トンっと大野さんはエレベーターの扉に手をついて、私の目の前に指の長い綺麗な手を広げた。
「……いいの？」
低くなった声に、気付かないふりをしていた心拍数が、無視できないくらいに早くなった。
「…………松岡です」
「名字じゃなくて名前」
大野さんの顔がぐっと近づいたので、慌てて俯く。
「………………A」
「Aって言うんだ。呼びやすくてかわいい名前」
さらっとそんな言葉が出てくるなんて、相当遊んでるなって思う。
ホストってこんな感じなのかなって。想像だけど。
エレベーターが来て、2階のボタンを押してドアを閉める。
「仕事終わったら電話してね？」
「嫌ですよ！」
「暗くて寒いのに俺を徒歩で帰らせる気？
A、冷たくない？」
2階に着いてドアが開き始めたらすぐにエレベーターから飛び降りた。
「絶対電話しろよ」
有無を言わせない声のトーンに振り返ると、勝ち誇った笑みを浮かべられた。
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510kana(プロフ) - さよさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます(；Д；)こちら、福岡にあるショッピングモールをモデルにしてます(笑)更新遅くて申し訳ないです｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ (2018年4月19日 8時) (
レス) id: 776df1ae64 (このIDを非表示/違反報告)
510kana(プロフ) - さとちさん» 相葉くんほんといつも片思いの役ばっかりでごめんなさい｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ (2018年4月19日 8時) (レス) id: 776df1ae64 (このIDを非表示/違反報告)
さよ(プロフ) - いつも心臓を鷲掴みにされ、510kana様が描くお話に夢中なっています。私の生きがいで楽しみです。この碧空ブリーズに出てくるモールが 私が知ってる所にそっくりで^ ^ もしかして…とどきどきしてます（笑） (2018年4月3日 23時) (レス) id: 741ec03a5a (このIDを非表示/違反報告)
さとち(プロフ) - 相葉さーーーん(´；＿；｀) (2018年4月2日 8時) (レス) id: d1a92f5b5f (このIDを非表示/違反報告)
510kana(プロフ) - ともさん» お互い同じ人のことを好きで相談しあってたって切ないですよね(´pωq`)愛され主人公しか書きたくないので(笑)これからも好かれます！！(笑) (2018年4月2日 6時) (レス) id: b12cca8c48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：510kana
| 作成日時：2017年12月29日 8時
