葛藤 ページ41
急かせかと言われた物を準備していればもう出陣の時間になってしまった。
正面扉の前には真選組全隊、その前に副長と局長が立っている。
土「今日の相手は手強い。気ぃ引き締めて行け」
隊「はい!」
ビシッと敬礼をした後、彼らはパトカーへ乗り込んだ。
皆が外へ出た後、門を閉めろと指示されて居るので門の近くで待っていたその時、1台のパトカーが傍で止まる。
中を見れば土方さん、沖田さん、近藤さんが居る。
「ご武運を」
土「おう。行ってくらぁ」
頭を下げれば車は発進してしまった。
それに続くように大量のパトカーが外へ出る。
隊1「Aちゃん!行ってきます!」
「行ってらっしゃい。無事で帰ってきてくださいね」
隊2「帰ったら膝枕して!」
「ちゃんと帰ってきてくれたらいいですよ」
出ていく皆に手を振り、頭を下げる。
数分後。全パトカーが出たのを確認してから屯所の門を閉め、
その場に座り込み皆の帰りを待つのだった。
▽▼
傾いていた陽が完全に姿を隠し、月が街を照らす頃。
門の傍で体育座りのまま待っていれば、
大量のサイレンが鳴るのが聞こえた。
…帰ってきたんだ!
大急ぎで門を開ければパトカーが屯所内へと戻ってくる。
隊a「Aちゃん。ただいま」
「おかえりなさい」
隊b「怪我人は何処に運んだらいい?」
「食堂の隣の大部屋に布団と包帯と軽食準備してますのでそちらへ!」
隊b「分かった!ありがとう」
返り血で赤く染まった隊士の方々、鉄の匂いがする。
大部屋にて怪我した方の手当てを手伝いながら土方さんの姿を探すけど何処にもない。
「土方さん、何処だろう」
ぽつりと呟いた時、突然腕を掴まれた。
驚くより先に鼓膜が震えた。
隊1「Aちゃん!!
副長、現場に居合わせたかった女の子を庇って重症を負っちまったんです…!車出すんで今すぐ病院行ってください!」
「え…土方さんが、?」
隊1「ほら!早く!」
「待って下さい!私、自分の仕事を放棄することは出来ません!
ここで怪我している方の手当てが終わるまでは…」
腕を引っ張られていたけど、連れて行かれないように反対に力を掛けて反抗する。
目の前には困った顔の隊士さん。
正直今すぐに飛んで行きたい。
けれどこんなに沢山の方が怪我をして帰ってきたのに私だけ私情に流されて持ち場を離れることはしたくない。
…私は行けない。
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氏兎(プロフ) - ユイさん» コメントありがとうございます!!嬉しすぎます😭💗土方さんの思いはPart2で深堀しようかなと思ってます😏楽しんで頂けるように引き続き頑張りますー!応援ありがとうございます!!! (6月4日 21時) (レス) id: 7d17cb3f22 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - 初コメ失礼しまあっす!!!!コメントは残してなかったんですけど、結構前から見させていただいてました‼いい展開になってきて最高です!土方さんの思いが気になるなあ、、。応援してます!!!これからも更新頑張ってください‼ (6月3日 16時) (レス) @page43 id: 546cca6b35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氏兎 | 作成日時:2023年4月9日 23時