本音 ページ26
「何か裏があったらどうしようって。裏切られたらどうしようって不安で…土方さんの優しさを信じたいけど、信じるのが怖くて…ごめんなさい、こんなこと言うなんて最低なのは分かってます」
零れた涙を拭い前を向けば心配そうにこちらを見る近藤さん、
いつも通り煙草を吹かす土方さんと目が合う。
「私は人様の善意を真っ直ぐに受け取れない卑屈な人間なんです」
涙声でそう言えば頭に大きな手が乗りぐしゃぐしゃと撫でられた。
その手に驚き、土方さんを見るととっても優しい顔をしていた。
土「Aは卑屈な人間じゃねェよ。
昨日も言ったろ？真っ直ぐな目した綺麗な人間だって」
彼は頭に乗った手を頬へと滑らし、親指で涙を拭う。
土「別に俺のこと信じれねェならそれでも構わねェよ。
ただ、不安にさせちまってたならすまねェ。
俺がやりたくてやってただけで悪意はねェから安心しろ」
この返答すらも優しすぎて、余計に胸が痛い。
なんでこの人は私に対してこんなに優しくしてくれるのか。
沖田さんが言っていた「気が引ける」理由が裏にあるからなのか。
「なんで私にそこまでして下さるんですか？
沖田さんが言ってました。私を拾ったのには気が引ける理由があるって」
土「彼奴…余計なこと言いやがって」
ぼりぼりと頭をかいて困った顔をしている。
あぁ、やっぱり裏があったのかな、なんて疑惧してしまう私はやはり最低だ。
左手に持っていた煙草を灰皿へ擦り付けた後、彼は大きな溜め息を吐いた。
土「なんつぅか、分かんだよ。俺にはAの気持ちが」
「どういうことですか、？」
土「本家の人間から疎まれてどこにも居場所が無くて、
それで人生諦めちまってるお前ェを見てたら放っておけなかったんだ」
本家の人、その気持ちが分かる、この発言から察することは容易い。
彼も…妾の子なんだ。
だから取調室で「妾の子」って白状した途端に眼が変わったんだ。
あの時の違和感と辻褄が合う。
驚いて目を見開き土方さんを見ると、
彼は揺るぎない瞳で真っ直ぐに私を見つめていた。
土「俺ァ、Aが幸せだと思える居場所をみつけて欲しいだけなんだ。お前ェが自分の幸せ見つけれるまでウチで預かる。それだけだ」
妾の子、なんて他人には話したくない内容。
私を安心させる為に話してくれた土方さんは本当に優しい。
もう疑う必要なんてない。そう確信を持てた。
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氏兎(プロフ) - ユイさん» コメントありがとうございます！！嬉しすぎます😭💗土方さんの思いはPart2で深堀しようかなと思ってます😏楽しんで頂けるように引き続き頑張りますー！応援ありがとうございます！！！ (6月4日 21時) (
レス) id: 7d17cb3f22 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - 初コメ失礼しまあっす!!!!コメントは残してなかったんですけど、結構前から見させていただいてました‼いい展開になってきて最高です！土方さんの思いが気になるなあ、、。応援してます!!!これからも更新頑張ってください‼ (6月3日 16時) (レス) @page43 id: 546cca6b35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：氏兎 | 作成日時：2023年4月9日 23時
