検索窓
今日:43 hit、昨日:70 hit、合計:59,736 hit

失言 ページ19

土「うるっせェ!聞こえてんだよ!」


「だって土方さんが無視するので」


土「俺ァ礼言われることなんざ何もやってねェんだよ」


「私はそうは思いません。土方さんのおかげで今生きてるんです」




本当に本当に感謝しています。この御恩は忘れません。彼の瞳を真っ直ぐに見つめて伝えれば顔に紫煙を吹きかけられる。



「うわっ!何するんですか!」



咳き込みながら顔の前で手をひらひらと動かしていると、土方さんは私の頬から手を離してさっさと歩いて行ってしまう。

さっきは私のために煙草吸うの辞めたのに、今度は顔に煙吹かれるなんて。本当によくわからない人だ。


しばらく土方さんの横に並び歩いていると、不思議なものを見つける。

白い渦巻き状の物が乗ってて、果物も沢山乗ってて、美味しそうだ。




「土方さん土方さん」


土「なんだ?」


「あれ何ですか?」




ショーケースに入っているそれを指せば彼は眉をひそめた。




土「ありゃパフェだ」


「へぇ〜。パフェ。なんか間抜けな名前ですね」


土「好き好んで食うのも間抜けな奴ばっかだ」




なんて言ってる。めちゃくちゃ顔険しいし。どうしたの?




「パフェお嫌いなんですか?」


土「いや、嫌いな奴がパフェ好きなだけだ」




何その理由。可笑しくて吹き出せば彼は煙草を地に落とし、踏み付けた。




土「食いに行くか」


「いえ、お構いなく」


土「俺が腹減ったんだ。行くぞ」




そう言って左手首を掴まれ、人生初のファミレスという場所に足を踏み入れる。


注文を済まし、料理の到着を待つ間土方さんから質問攻めが始まった。




土「前の屋敷にいた時ゃ外出れなかったのか?」


「外出禁止ってルールがあった訳じゃないですけどね。
毎日忙しすぎて外出る暇もなかったというか…」


土「そんな忙しかったのか」


「屋敷が無駄に広かったですから。それに家政婦雇う人件費削減に10人分の世話してましたよ。継母が厄介な人で毎日ケチつけられてましてよ」


土「性悪な継母の元で扱き使われるってお前ェはシンデレラか」


「あははっシンデレラ。それいいですね。
おとぎ話じゃ王子様に拾われて幸せになりますもんね。

私からすれば土方さんは王子様ですね」




私の言葉を聞いた彼は大きく目を見開いた。

私を拾ってくれた人、そういう意味で言ったつもりだったのに…
やばい。今めちゃくちゃ大胆なことを言ってしまった。

満足→←親切



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (78 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
236人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 土方十四郎 , 真選組
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

氏兎(プロフ) - ユイさん» コメントありがとうございます!!嬉しすぎます😭💗土方さんの思いはPart2で深堀しようかなと思ってます😏楽しんで頂けるように引き続き頑張りますー!応援ありがとうございます!!! (6月4日 21時) (レス) id: 7d17cb3f22 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - 初コメ失礼しまあっす!!!!コメントは残してなかったんですけど、結構前から見させていただいてました‼いい展開になってきて最高です!土方さんの思いが気になるなあ、、。応援してます!!!これからも更新頑張ってください‼ (6月3日 16時) (レス) @page43 id: 546cca6b35 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:氏兎 | 作成日時:2023年4月9日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。